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1人で投げても「三本の矢」 練習バチバチ、共に励んだ

2019年8月11日18時17分

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 「がんばってくれ!」「頼むぞ!」。作新学院(栃木)と11日に対戦した筑陽学園(福岡)。マウンドに立つ西舘昂汰君(3年)に、ベンチに控える2人の投手が声をかけ続けた。3人でピンチを乗り切ろう。俺たちは「三本の矢」だから。

 初回、西舘君は立て続けに安打を打たれた。3球で一、二塁となり、次打者も味方のエラーで進塁。いきなり無死満塁のピンチを背負った。「甲子園の雰囲気にのまれてしまった」が踏ん張り、最少失点に抑えた。ベンチで菅井一輝君(同)から「ナイスピッチング」と声をかけられると、顔をほころばせた。

 今春の選抜大会。制球力のある西雄大君(同)が先発し、技巧派で左腕の菅井君につなぎ、本格派の西舘君が最後をしめる。昨秋に定着し、8強まで進む原動力となった継投リレーは「三本の矢」と呼ばれた。

 当時、西舘君の直球の威力では、長いイニングは目が慣れて打たれる危険があった。序盤は変化球で狙いを絞らせず、後半直球で抑える。それぞれの強みを生かす策だった。

 試合では助け合う仲だが、練習では「ライバル心でバチバチですよ」と口をそろえる。3人並んで投げるブルペン練習では、隣で誰かがいい球を投げたら、試合じゃないのに思いっきり投げる。一人が走り込むと、他はもっと走った。

 選抜後の合宿で、西君は持ち味のコントロールを見失う。菅井君は変化球のキレをなくしてしまった。その一方、下半身を強化してきた西舘君は安定して140キロ台を出せるようになった。今回の福岡大会では準決勝、決勝と西舘君一人がマウンドに立った。継投も考えたという江口祐司監督(56)は「それ以上に西舘の調子がよかった」。

 3人が狙っていた背番号1は西舘君の手に。それでも西舘君は「マウンドにあがった人が、そのときのエースだから」と言う。甲子園入り後の宿舎でも、練習でも3人は一緒にいる。

 マウンドにあがる西舘君に2人は「後ろに俺らがいる。思い切ってやってこい」と送り出した。この日、ピンチになると「粘れよ」、切り抜けると「ナイスピッチング」とかけられる声を支えに、延長十回までを一人で投げきった。

 試合後、3人から聞かれたのは互いを思いやる言葉だった。「エースらしく、かっこよかった」と西君が言えば、菅井君は「すばらしい投球」とたたえた。西舘君もこう言った。「2人がいたからここまで来られた。感謝しかありません」(棚橋咲月)

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