スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

鳥取)培った力、出せた試合 米子東

2019年8月10日03時00分

シェア

 智弁和歌山との熱戦から一夜明けた9日朝、米子東の選手らは兵庫県宝塚市の宿舎を出発し帰路についた。

 今大会出場校の中でも屈指の強打を誇る相手打線。中でも特に警戒したのは1、2番の左打者だった。先発マウンドに上がったのはエース森下祐樹(3年)。しかし初回、夏の独特の緊張感からか警戒していたはずの先頭打者の黒川史陽(3年)に死球を与え出塁を許した。だが、森下は動揺を見せるどころか落ち着いていた。

 1球、2球と一塁へ送球。わずかに間合いをずらして3球目。見事な牽制(けんせい)球で一塁走者を刺した。その後も巧みな配球で、強力打線を5回まで3安打1失点に抑えた。野手も安定していた。四回には左翼フェンスまで伸びた打球を本多翔(3年)が大きくジャンプしてグラブへ収めた。

 打線も応えた。六回には山内陽太郎(2年)の適時打で同点とした。だが同時に、勝負の分かれ目もここだった。1死満塁の好機に勝ち越しの一打が出なかった。米子東に傾きかけた流れを渡さない甲子園常連校の経験値の高さが際立った。直後の六回守備、四球を挟む4連打で3失点。ちょうど100球を投げ終わり、森下はマウンドを降りた。

 試合後、選手たちは涙をこらえながらも、穏やかな表情だった。「力の差を感じる試合ではあったが、自分たちの積み上げてきたものを出し惜しむことのない試合だった」と紙本庸由監督(38)。森下も「悔しいけど、たくさんの人が応援してくれる中で野球ができて幸せでした」。

     ◇

 夜、記者が宿舎へ戻ると、バットを手に小走りで宿舎から出て行く部員の姿が見えた。気になって追いかけると、近くの河川敷で素振りを続ける1、2年生の姿があった。記者に気付いた遠藤想大選手(2年)が声をかけてくれた。「来年こそは勝って校歌を歌います」と力強く言い切った。

 ベンチメンバーのうち12人は1、2年生。3年生が開いてくれた伝統校の新たな歴史の始まりを、引き継いでくれることを願いたい。(矢田文)

話題の記事

スポーツブルアプリアイコン