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闘病中の祖父、泣いて喜んだ 鶴岡東3年が公式戦初HR

2019年8月10日08時15分

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 緑色のユニホーム姿の選手たちが、ナイター照明に照らされたグラウンドで躍動した。第101回全国高校野球選手権大会第4日の9日、鶴岡東は高松商(香川)と対戦し、丸山蓮選手(3年)の「バースデータイムリー」などで6―4で勝利した。県勢の初戦突破は4年ぶり。次戦は第9日(14日)の第2試合で、習志野(千葉)と対戦する。

 ■闘病の祖父へ届けた本塁打 竹花裕人選手

 打球が左翼ポールに当たったのは見えなかった。でも、三塁側アルプス席からの地鳴りのような歓声ですぐにわかった。「ホームランだ」。ダイヤモンドを回りながら思った。「おじいちゃん、やったよ」

 九回表2死一塁、竹花裕人選手(3年)が左越えに2点本塁打を放った。バントの構えから、バットを引いて強振する「バスター打法」で内角高めの直球を捉え、貴重な追加点を挙げた。

 腎臓の病気を患い、長野県内の自宅で闘病生活を続ける祖父の谷十郎(やじゅうろう)さん(78)を、今度は自分が支えたかった。

 5学年上の兄とともに、幼稚園に通う頃からボールを握り始めた。その頃からずっと応援してくれたのが谷十郎さんだ。中学時代には、週末の練習試合に欠かさず足を運び、バッティングケージも手作りしてくれた。試合で本塁打を打つと、「もっと頑張れ」と言いつつピッチングマシンを買ってくれた。

 高校進学を控え、竹花選手は長野県の実家から離れて、当時2年連続で甲子園に出場した鶴岡東に進むか悩んだ。谷十郎さんから離れるのは気がかりだ。だけどやっぱり、甲子園に行きたい。「山形で頑張ってこい」。背中を押してくれたのは谷十郎さんだった。「おじいちゃんを甲子園に連れて行く」と約束した。

 今春、足の指を骨折。一時は夏の出場が危ぶまれた。それでも、谷十郎さんに雄姿を届けたいと、筋力トレーニングやバント練習など、できることをやり続けた。山形大会でレギュラーに復帰すると、大会打点王に。「甲子園決まったよ」と親よりも先に谷十郎さんに報告。電話越しに泣いて喜んでくれているのがわかった。

 竹花選手の父・長雅さん(50)によると、谷十郎さんは昨年末ごろから体調が優れず、治療を諦めかけていたという。だが山形大会中、勝ち上がるたびに竹花選手が電話をすると「医師も驚くほど元気になっていった」。長雅さんは「お互いの存在が力になっていたのかな」と話す。

 そして、迎えた夢の舞台。実は本塁打は公式戦で初めてだった。竹花選手は「全国放送の甲子園でしか、テレビ越しには届けられなかった。ちょっとは恩返しができたかな」。

 試合後、長雅さんが電話をかけると、谷十郎さんは「こんな幸せなことはない」と、また泣いて喜んだという。(西田理人)

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