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宇和島東、下級生のびのび 主将の配慮「来年あるから」

2019年8月14日09時48分

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 第101回全国高校野球選手権大会に愛媛代表として出場した宇和島東は12日、山口代表の宇部鴻城に3―7で敗れた。得意の集中打は相手投手に封じられたが、チームは本塁打1本を含む13安打。「牛鬼打線」復活の兆しをうかがわせた夏だった。(照井琢見)

 ■苦しい場面も笑顔で 阿部颯稀君

 二回に2点の先制を許し、迎えた三回。2死一、二塁のピンチで、宇和島東の選手たちがマウンドに集まった。

 捕手で主将の阿部颯稀(さつき)君(3年)は笑顔を見せながら、エースの舩田清志君(2年)に言った。「いい球が来てる。どんどんお前らしく来い」。舩田君は前の打席で安打を許した6番打者を、外角の落ちる球で空振り三振に仕留めた。

 「来年があるから、とにかく楽しんでやろう」

 阿部君がこの夏、何度も後輩の投手陣にかけてきた言葉だ。自身にとっては最後の夏だが、「3年生のためにと思わせたら、緊張してガチガチになる。余裕があればベストの投球ができるし、その余裕を試合にぶつけてほしいんです」。

 捕手を務めるのは昨秋から。「最初は全然ダメだった」。構えたミットに投げられずに打たれた投手を責めたこともあった。試合を重ね、「打たれる球を要求したのは僕だ」と気づいた。笑顔で投手を励ますようになったのも、それからのことだった。

 阿部君に導かれ、愛媛大会では2年生投手2人が活躍した。舩田君は2、3回戦を2試合連続完封し、決勝も完投。「阿部さんは上下関係なく、友達みたいに接してくれた」。準決勝を被安打3で完投した和田真虎(まなと)君(2年)も「自分は阿部さんに育ててもらった」と話す。

 甲子園の舞台は厳しかった。宇部鴻城の強力打線を抑えきれず、チームは敗退。でも、阿部君は涙を見せなかった。苦しい場面でも笑顔で九回まで戦い抜いた。

 赤松拓海君(2年)が適時打を放つなど、下級生はのびのびとしたプレーをみせた。阿部君も3三振の後、2安打を放った。「楽しもうという意識で甲子園まで来られた。野球を楽しんで、甲子園に戻ってきてほしいです」。主将は笑顔で言い切り、夢舞台を後にした。

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