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佐賀北エース、全国V監督と衝突の日々 完投して思った

2019年8月6日20時41分

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 (6日、高校野球 神村学園7-2佐賀北)

 初戦で敗れた佐賀北のエース、川崎大輝君(3年)は一人で投げきり、思った。「今日みたいなピンチを何度も乗り越え、頂点に立った監督はすごい」。2年前に就任した監督と采配をめぐり何度も衝突。日誌で激しい言葉を投げかけたこともあった。

 佐賀北は2007年に優勝。その時のエースが今の久保貴大監督(30)だ。準々決勝で帝京(東東京)を、逆転満塁本塁打も出た決勝では広陵(広島)を下し、優勝投手に。県立高の快進撃ぶりは「とても」を意味する佐賀弁から「がばい旋風」と呼ばれた。

 部員たちは就寝前、「野球日誌」と向き合う。全国制覇したときの監督だった百崎敏克・現副部長が04年ごろに始めた。練習の反省点や感想を1ページ程度書き、監督に提出する。

 昨夏の試合で敗れた後、川崎君は「百崎先生はスクイズが多かった。それに比べて久保先生ではほとんどない……。スクイズをやって前の時代はよく勝っていたのではないか」と日誌で3ページにわたり、批判を書き連ねた。犠打を重ねる手堅い攻撃が持ち味のチームで、なぜ強攻策だったのかを知りたかった。

 「監督はすごい投手だったんだよ」。親からそう言われても実感はない。サインが単純すぎる、なぜ別の選手を使わない――。多くの部員が監督の「言葉」を聴きたくて、様々な不満を書き込んだ。

 自分のことを口べたという久保監督は「この言葉を使えば選手はどう思うのか。結果を出せない俺が何を言っても……」。うまく答えられず、川崎君の問いには「采配が悪かった。おれの責任」と記した。腹は立ったが勝利への意欲は理解できた。できるだけ采配の意図や、問いかけに自分の考えを書くよう努めた。休日返上で、県外の強豪校の試合を見てまわった。

 監督の変化に部員は応えた。今春の県大会初戦後、主将の小野颯真君(3年)が「監督のせいにするのはやめよう。野球をするのは自分たちだ」と呼び掛けた。試合を想定し、アウトカウントや点差を考え練習するようになった。

 今夏の佐賀大会では、采配への不満は一つも出なかった。選手たちは監督の次の一手を先回りして準備できるようになった。

 この日、六回終了後にベンチに戻った川崎君に久保監督が声をかけた。「このままお前で行くぞ」。交代したら後悔すると思っていた川崎君も「俺の気持ちをわかってくれている」と奮い立った。試合後、久保監督は「点を失っても変わらずよく投げた。エースらしくなったな」と川崎君に声をかけた。日誌には感謝の言葉を書き込むつもりだ。(松岡大将)

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