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大阪桐蔭主将、父の目を見て「ありがとう」 父も応えた

2019年7月27日13時44分

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 第101回全国高校野球選手権の地方大会は各地で代表校が決まり、いよいよ大詰めを迎え、大半のチームが敗退した。敗れた選手や監督、支えた親たちが、夏の最後に言葉を残していった。

 昨夏の全国優勝校の大阪桐蔭は26日の大阪大会準々決勝で姿を消した。「保護者の人たちに結果を報告しなさい」。球場を出たところで部長らに促されて、主将の中野波来(はる)君(3年)は、父達也さん(53)を見つけ、まっすぐ目をみて一言だけ伝えた。

 「ありがとう」

 春夏の甲子園を連覇した昨年のチームで2年生でベンチ入りした2人のうちの一人。新チームで主将を任されたが、秋も春も府予選で優勝できず、無冠のまま終わった。「勝てなくて、謝られるのかな」。達也さんはそう思っていた。

 故郷の淡路島にいた頃から、中野君の弱音を聞いたことがなかった。主将になったときも、秋春で勝てなかったときも、泣き言は聞かなかった。前のチームと比べられたり、「勝って当たり前」と言われたり、誰よりも重圧を感じてきたはずなのに。胸を張って立つ一人息子に、父は語りかけた。

 「しんどかったな。ようやったな。キャプテンなんて大変なこと、最後までよく頑張ったな。良い姿、見せてもらった。ありがとう」

 父からの言葉に中野君は初めて肩をふるわせた。笑顔で励まそうとした達也さんもつられて泣いた。

 敗れて足早にバスに乗り込んでいった選手たち。息子が残したたった一言を胸に抱き、父も球場を後にした。

     ◇

 「顔を上げよう。一生懸命、お前ら頑張ったよ。揺るぎもねえ事実じゃこれは。勝って謙虚に、負けて堂々と。胸を張ろう」

 23日にあった岡山大会の3回戦で、6年ぶりの夏の甲子園を目指したシード校の玉野光南は1―4で岡山東商に敗れた。球場から出て涙を流す選手たちに田野昌平監督(47)が切り出した。

 「泣きてえよ。わしだって。しょうがない。これも勝負じゃ。悔いは残る。残らんことはねえ。でも、これがお前らの野球じゃ。もういっぺん言うで。勝って謙虚に、負けて堂々と。それだけのことをやってきた。立派じゃお前ら。ありがとう」

     ◇

 兵庫大会4回戦でシード校の西宮東に1―2で惜敗した西宮北。2年前に同校に赴任し、昨秋から指揮をとってきた宮崎慶仁監督(33)は試合後、選手らに語りかけた。

 「おれが学校に来たとき、(グラウンド)整備もできへん、声も出えへん3年生が、ほんまようここまで頑張ったな」

 秋と春は地区大会で敗れ、県大会に出られもしなかった。そのチームが夏の大会で3勝し、2012年以来となる4回戦に進出した。20日の西宮東戦でも大会屈指の好投手から1点をもぎ取った。

 「ほんまにもっともっと野球したかったし、お前らと離れるのがめちゃめちゃ嫌やわ。でも、始まりがあれば終わりもある。しっかりけじめつけて、また次のステージで輝け」

     ◇

 徳島大会で初めて単独出場した阿南光は1回戦で負けた。阿南工と新野(あらたの)の2校が統合して昨春開校。3年生はこの春、両校から移って新校の生徒になった。23日、新野出身の4番、河野太郎君(3年)は、最後に振り返った。

 「意見のぶつかり合いも含めていろいろあった。長いようで短かったけど、ごっつい仲が良い、家族のようなチームになれた。一体感があふれ、今は合併したチームとは思えない」

 元々は近くのライバル校。中山寿人監督(57)は2年間2校で別々に過ごしてきた部員たちがまとまれるか心配だった。部員全員で部室の壁の穴を埋め、落書きの上から白く塗った。そこに椅子をまるく並べ、試合や練習の後に反省会を開きひざをつき合わせて心を開き合ってきた。

 23日の試合では一つになって打席に向かう選手を大声で応援した。部員をまとめるのに悩み続けた元阿南工の成松佑馬主将(同)が試合後にこう語った。

 「良い経験をさせてもらった。苦しいことがあっても、やったことは必ず次につながると教えてもらった。残念だが試合に勝つことができなかった。甲子園への夢は後輩たちに託したいと思います」

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