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スコアボード裏でも球児奮闘 1枚1m超を1分で手書き

2019年7月17日12時31分

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 兵庫県高砂市の市野球場では、第101回全国高校野球選手権大会の兵庫大会で使われる会場の中で唯一、手書きのスコアボードが残る。連日、グラウンドで繰り広げられる熱戦に注目が集まるなか、スコアボードの裏でも近隣の学校の野球部員が奮闘している。

 15日、試合開始2時間前の午前8時。同県稲美町の東播磨高校の野球部員4人が、スコアボードの裏に入っていった。幅が2メートルもない狭い通路のようになっていて、薄暗く、木のにおいが漂う。

 到着後、すぐに作業を開始。白い石灰と水を混ぜたものをハケで伸ばし、縦1・1メートル、横60センチの黒い板に選手の名前を書いていく。書き上げる時間は1枚1分ほど。古川太陽君(2年)によると、コツはスタンドから見やすいよう大きく書くこと。「上」や「下」といった画数が少ない文字ほど、バランスが取りづらく難しいという。

 先攻のチームははしごを登った上の階で、後攻は下の階で掲示する。ただ、どちらが先攻か、後攻かは試合開始の約1時間前にならないと発表されない。部員たちの「直感」で先攻、後攻を予想し、それぞれの階で書き始めたが、第1試合の予想は外れた……。「まじか」。思わず落胆の声がもれる。上下階を行ったり来たりして、急いで板を入れ替えた。試合の約15分前、選手紹介のアナウンスにあわせ、守備位置と名前を書いた板を反転させて掲示した。

 試合が始まっても、一息つく暇はない。第2試合の名前を書き始めるとともに、小窓やボードの隙間から試合の状況をうかがう。素振りや投球練習をしている選手を見かけたら要注意。選手交代の可能性があるからだ。「あ、代わるかも」。部員が声を上げ、すぐに名前を取り換えられるように板を準備しておく。

 注意深くグラウンドを見ていた衣川将太君(1年)は「間違えると迷惑をかけるので、常にアンテナを張っています」。

 球場にいる県高野連関係者らからは、時折無線が入る。選手交代や名前の間違い、得点の入れ忘れ――。その度、狭い通路を駆け回る。クーラーは付いているが、必死に作業していると汗が噴き出す。

 楽な仕事ではないが、やりがいも感じるという。「自分たちが試合に出ている時、裏方で頑張っている人がいる。感謝の気持ちがもてます」「裏方でも大会に携われて光栄です」――。この日の試合が全て終わると、何十枚とある板をスポンジで洗って文字を消し、きれいに整備されたグラウンドをあとにした。(岩田恵実)

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