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定時制だって目指せ甲子園 午前部は午後部を3時間待ち

2019年7月13日12時00分

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 定時制や通信制、単位制など、実は高校には様々なタイプがある。そんな学校の野球部員たちも、大会に向け、練習を重ねている。

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 横浜市の横浜明朋高の選手は7人、横浜緑園高は8人。両校は昨年のチームから連合を組んだ。

 横浜明朋高は、2014年に開校した定時制高校。といっても、「昼間は学び、夜は働く」という昔ながらの定時制ではなく、朝から昼まで学ぶ「午前部」と、それより少し遅めに登校し、15時ごろまで学ぶ「午後部」に分かれる「昼間(ちゅうかん)定時制」。中学までの課程を学び直す授業も用意され、勉強が苦手な生徒も安心して学べる。

 同校に野球部ができたのは、「野球をやりたい」という1期生の一言からだった。同好会として発足し、2年目に部活動に。定時制・通信制の大会に出場することもできたが、「やるのなら硬式野球で、甲子園を目指す大会に出場しよう」と、3年目に夏の大会に初出場した。

 鵜戸紘一郎監督は折に触れ、そんないきさつを今の部員たちに伝えている。

 「中学時代、テレビで見ていた大会に自分も出られる。1期生の方々に感謝したい」と、午前部の遠藤友也君(3年)。部活が始まるのは午後部の授業終了後のため、3時間の待ち時間があるが、それも苦にならない。雨の後には、スポンジでグラウンドの水を吸い取り、みながそろったときに、すぐに練習ができるようにする。「学校全体が応援してくれるのは野球部の特権。うれしいから頑張れる」

 もう1人の3年生、鈴木祐司君は、全日制の横浜緑園高との合同練習で、失策したときの気持ちの切り替え方など多くの収穫を得た。行事で学校中が盛り上がる横浜緑園高の雰囲気をうらやましく思うこともあるが、ゆっくり寝たいタイプの自分には明朋のシステムが合っていると感じる。「歴史が浅いからこそ、連合チームであっても自分たちの代で1勝したい」

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 全日制普通科の中にも、中学までに学習などで自分の力を十分に発揮できなかった生徒を積極的に受け入れる学校がある。県内に5校ある「クリエイティブスクール」だ。

 家庭の事情などで放課後はバイトに励む生徒も多く、部活がさかんとは言えない。そんな中、大楠高(神奈川県横須賀市)のチームスポーツで唯一、連合を組まずに大会に出場しているのが野球部だ。今年は11人で大会に臨む。

 主将の正能南和君(3年)は、中学時代は体操部。甲子園の試合にひかれて野球部へ入った。守備での飛球の判断に苦労したが、先輩に教えられ、試合でも「任せてくれ」と思えるようになった。1年生の時には、夏の大会17年ぶりの勝利も味わった。

 そんな先輩たちが卒業し、自分が上級生になってみると、打撃も守備もうまくいかず、コールド負けも喫した。「でも、勝ちたい思いはみんな一緒。人数が少ないからこそ、一人も欠けられないと結束が深まった」。入学時、人見知りを心配していた山本幸太君(1年)も、「先輩が気軽に話しかけてくれて居やすい環境だった。先輩たちとなら勝てる。そう思えるチーム」と話す。

 実戦練習では、倉田陵監督ら指導陣も一緒にプレーする。「できるようになったことを評価する。中学までに力を発揮できなかった生徒が多い学校だからこそ、野球を通して自信を育てていきたい」。一人ひとりと向き合う時間を大切に、大会までの日数を過ごす。(木下こゆる)

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