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岐阜)「時間革命」で勝利 県岐阜商「公立の壁」に挑む

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2019年4月24日03時00分

 県岐阜商高の野球部は、鍛治舎巧監督(67)が就任して1年が過ぎた。私立の強豪校を離れた後、母校の低迷を打開するために帰郷した。新体制では「時間革命」を掲げるなど、伝統校の復活をめざして奮闘を続けている。

 1日100打席と1200スイング、スイングスピードは145キロ――。これらの数字は昨年10月、鍛治舎監督が示した「270日計画」の中で、選手たちに与えた目標数値の一部だ。さらに3期に分け、1期(3カ月)ごとの目標数値も掲げた。練習の順番を待つ時間を活用するため、グラウンド内の各地で、7種類の練習を同時に進行することもある。

 平日の練習は1日3~4時間、週1日以上は休みだ。鍛治舎監督は「公立校は時間が限られている。効率良く練習するには数値化が一番良い」と説く。加藤駿希主将(3年)は「全部が数値化され、それを自分が超えたかどうか、結果がわかりやすい」と効果を実感する。ただ、やみくもに練習するのではなく、何を目指すのかを自分で納得できるようになったという。

 県岐阜商は甲子園に春夏通算56回出場し、計4回優勝。公立校で最多の通算87勝は全国歴代4位を誇る。だが、近年は私学の台頭もあって甲子園出場がかなわず、岐阜大会の決勝に進むことも少なくなった。

 昨夏の岐阜大会は3回戦で敗戦。新チームは県外の強豪校と練習試合を組み続け、秋だけで約50試合をこなした。いつしか甲子園の優勝経験がある学校に勝つことも増え、今年3月には、後の選抜大会の優勝校、東邦(愛知)にも勝利。「選手たちは驚くスピードで成長している。自信がなさそうな心の向きを、前に向かせることが必要だった。勝つ経験は自信につながるから」

 今月20日、新体制から1年となった春季県大会の初戦は3―0で完封勝ち。それでも「チャンスはあったのに打ち損じが多い。オープン戦を含めて一番悪い試合だった」と反省の弁を繰り返した。「選手がこれからどう戦うか楽しみにしている」

 鍛治舎監督がなくしたい言葉が「公立の壁」だ。「04年に駒大苫小牧が北海道勢で初優勝し、『北国のチーム』という言葉が死語になった。10年に沖縄の興南も優勝して、『離島のハンデ』とは言わなくなった」。夏の甲子園の公立校の優勝は、2007年の佐賀北が最後だ。「公立で優勝して『壁』をなくす。それを母校で証明することが、私の大きな目標です」(室田賢)