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鳥取)米子東、秋の王者に健闘 1-4

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2019年3月25日03時00分

 大会第2日の24日、23年ぶり9回目の出場となった米子東は、札幌大谷(北海道)に1―4で敗れた。昨秋の神宮大会優勝校に果敢に挑んだが、相手投手の好投に4安打に抑えられた。笑顔を忘れないプレーに徹した選手たちは早くも夏に向けて視線を上げた。

 ■エースの誓い 気迫の投球 森下祐樹君(3年)

 一回裏、米子東は相手の先頭打者にいきなり本塁打を浴びた。「まじか」。エース森下祐樹(3年)はマウンド上で笑った。焦りはなかった。むしろすっきりした気持ちになった。「こんなに良い打者と対戦できる。これが甲子園。楽しんでいこう」。あこがれの舞台に立っていることがうれしかった。

 昨夏の県大会では、前年に決勝で敗れた米子松蔭相手にリベンジを誓ったが初戦で敗れた。先発投手として登板していた森下は太ももに違和感を感じて八回途中で降板。自身のふがいなさを痛感した。「エースナンバーを背負っているだけでは意味がない」

 ただの「良い投手」から「絶対的エース」へとなることを誓った。冬場には、投球数など5項目のバランスを考えた「投球障害リスクのペンタゴン」と呼ばれる理論を元に投げ込み、完投はもちろん、連投しても苦しくならない体作りを意識してきた。

 そんな森下の姿に部員たちも絶対の信頼を寄せる。主将の福島康太(同)は「エースとしての存在感がすごい。試合中はマウンドを誰にも譲らないという気迫がすごい伝わってくる」。

 選抜大会が始まる前にユニホームが新調されると、これまでキャップのつばに書いていた「人のため」という言葉にさらに「最高最善」と付け加えて書いた。マイナス思考に陥りそうになる自分を鼓舞し、エースとしての立ち振る舞いを見つめ直した。

 この日、三回裏に先頭打者に四球を与えると、そこから3長短打を浴び3点を許した。その後も、走者を抱える苦しい場面を何度も迎えたが、「抑えるぞ」とマウンド上で自分に言い聞かせ、四回以降を無失点に抑えた。

 試合は敗れた。森下は「三回の場面、自分の甘さがでた。力不足を大舞台で知ることができた。チームを勝たすことができる投手になって、またここに戻ってきたい」。わずかに震える唇をかみしめながら、夏を見据えて成長を誓った。(矢田文)