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平成「最初と最後」に甲子園へ 親子が感じる不思議な縁

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2019年3月22日18時53分

 第91回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)が23日、阪神甲子園球場で開幕する。「平成最後の甲子園」となる節目の春に、紫紺の優勝旗をめざして熱戦を繰り広げる32校の球児たち。その中には、「平成最初の甲子園」に出場した父親の思いを受け継ぐ選手がいる。

 平成最初の甲子園は1989年春、東邦(愛知)が第61回大会で、4度目の優勝をした。今春2年連続出場を果たした同校には、当時のエースの息子がいる。山田喜久夫さん(47)の長男斐祐将(ひゅうま)君(3年)と次男聖将(しょうま)君(2年)だ。

 30年前の決勝では上宮(大阪)と対戦。1点を追う延長十回裏、東邦は2死走者なしから同点に追いつくと、敵失で白球が外野を転がる間にサヨナラ勝ちした。喜久夫さんは「あの時の歓声が今も耳に残っている」と振り返る。

 卒業後はプロ野球中日と広島に在籍。息子たちは引退後に生まれ、東邦の野球部に進んだ。2人はこの春スタンドから応援する。斐祐将君は応援団長だ。父は「良い経験をしていると思う。自分たちが優勝した時はレギュラーも補欠も関係なく、一つになっていた」と、あの春の再現に期待する。

 喜久夫さんのチームメートで、アルプス席から優勝を見届けた石川尋貴(ひろたか)さん(47)の長男、昂弥(たかや)君(3年)は、主将でエースとして大会に臨む。

 純白のユニホームは当時と変わらないが、尋貴さんは「昔は根性を養う練習が多かったが、今はとことん打つ。時代だなと思う。精いっぱい前向きにプレーして」。打線の中軸に座る昂弥君は、平成最初と最後に親子で春の甲子園に出る巡り合わせに「不思議な感じ」と言いつつ、「最終的に優勝できれば」と意気込む。

 10年ぶり出場の明豊(大分)の一塁手、野上真叶(まなと)君(2年)の父久生さん(47)も、平成最初の甲子園でグラウンドに立った。初出場の別府羽室台(大分)の捕手として臨んだ1回戦は、東邦と対戦。相手の応援の力強さをはっきりと覚えている。「のまれたような感じだった」。完投した山田さんに抑え込まれ、0―6で敗れた。

 久生さんは高校卒業後も野球を続け、社会人チームの監督も務めた。真叶君が小学1年生で「野球がやりたい」と言ったのを機に監督を退き、少年野球の指導者に。折に触れて甲子園での経験を語ると、真叶君も自然と甲子園を目指すようになった。中学から明豊に進学。自宅から通うこともできたが、高校からは野球部の寮に入った。レギュラーとなった昨秋の九州大会で準優勝して甲子園出場をかなえた。

 久生さんも、親子での平成最初と最後の甲子園出場に不思議な縁を感じたという。「自分を越えて初戦に勝ってほしい」。初めて甲子園の土を踏む真叶君は「結果を出して父に恩返ししたい」と誓う。(申知仁、小林圭)