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秋田)絆、自信、我慢強さ……ファンに愛され 金足農

2018年12月20日03時00分

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 8月の第100回全国高校野球選手権記念大会で、秋田勢として103年ぶりに準優勝した金足農。雪国の公立校、それも「雑草軍団」の異名をもつ農業校が強豪私立校を次々と破る姿は全国の注目を集め、「金農旋風」を起こした。

 「どうやったら応援されるか意識していました」。11月の県民栄誉章顕彰式で、大友朝陽選手の一言が会場の笑いを誘った。その秘訣(ひけつ)を問われると「みんなと仲良くすることです」。

 秋田大会から甲子園決勝までの全11試合を、県内出身の3年生9人で戦い抜いた。主催社の担当として選手と同じ宿舎で過ごした筆者には、大友選手の言葉の意味がよくわかった。

 愛犬のかわいさを語る菅原天空選手、ピアノを見つけ思わず弾き始める吉田輝星投手、記者のカメラを手に「カメラマン」になりきる打川和輝選手……。じゃれ合い、誰かを「イジる」姿は、普通の男子高校生そのものだった。

 だが、野球になると目つきが変わる。「東北で一番厳しい練習」を掲げる金足農。早朝5時半からの走り込みで始まる冬合宿などの猛練習は、選手たちの心や体だけでなく、自信や絆も大きく成長させた。

 「我慢強さは雪国じゃないと鍛えられなかった」と佐々木大夢主将が語るように、甲子園では最後まで諦めない野球が光った。

 大垣日大(岐阜)との2回戦では同点の八回、大友選手が粘りに粘って12球目を左翼席へ運び、公式戦初本塁打を記録した。続く横浜(南神奈川)戦では2点を追う八回裏、高橋佑輔選手が初球をフルスイング。高校通算初の本塁打は、バックスクリーンへの逆転弾となった。

 相次ぐ逆転劇は、観客を味方にした。近江(滋賀)との準々決勝。1点を追う九回裏、先頭の高橋選手が打席に入ると、球場全体から拍手が湧いた。そして金足農の一塁側アルプススタンドから流れる「Gフレア」に合わせ、球場全体でタオルが回った。「全部が味方してくれた。楽しんでやろうと思った」と、無死一、二塁で打席に立った菊地亮太捕手は振り返る。

 その後、無死満塁となり、「バントは商売道具」と言う斎藤璃玖選手がスクイズ。二塁走者の菊地彪吾選手が頭から本塁へ滑り込む。生還。菊地彪選手のガッツポーズに合わせ、スタンドにいた秋田総局の記者3人も涙があふれた。

 決勝では体を反らして歌う「全力校歌」を響かすことはできなかったが、6試合で計881球の力投をみせた吉田投手らナインと、彼らを支える川和田優斗選手。どこか懐かしい「金農野球」は、全国の人々の心に確実に刻まれた。(神野勇人)

     ◇

■甲子園での戦績

○5―1鹿児島実(三回に菅原天の三塁打などで3点を先行、八回にも加点。吉田は14奪三振)

○6―3大垣日大(八回に大友の本塁打で勝ち越し。菊地彪の背中にセミが止まる)

○5―4横浜(三回に吉田が2点本塁打。八回には高橋が逆転の3点本塁打)

○3―2近江(斎藤の2ランスクイズでサヨナラ勝ち。吉田は4試合連続の2桁奪三振)

○2―1日大三(西東京)(一回に打川の適時打で先制。五回に大友の適時打で加点し、逃げ切る)

●2-13大阪桐蔭(佐々木大夢の犠飛、菊地亮の二塁打で意地をみせる。打川が好救援)

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