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龍谷大平安、逆転サヨナラ勝ち 京都3位から近畿頂点に

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2018年11月4日20時22分

 高校野球の秋季近畿地区大会は4日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で決勝があり、龍谷大平安(京都3位)が明石商(兵庫1位)を延長十二回に逆転サヨナラで下し、5年ぶり6度目の優勝を果たした。9日開幕の明治神宮大会に出場する。

 野球の流れは、失うのはたやすいが、取り戻すには難儀する。それを龍谷大平安は、決勝の延長戦という緊迫した場面で経験した。

 0―0の延長十一回、2死満塁のサヨナラの好機。「こういう展開では、起爆剤を入れないといけない」と原田英彦監督が仕掛けた。二塁走者が飛び出し、挟まれようとしている間に三塁走者が本塁を狙った。わずかに間に合わず、アウトに。

 直後の十二回の守りで、先頭の捕ゴロを多田龍平(2年)が捕り損ねた。締まった投手戦のなかで両チーム通じて初めて出た失策。ここから両チームにとって遠かった1点を明石商に与えた。

 平安にとって、最悪の展開だった。流れにのみ込まれそうな場面で、攻撃前の円陣が嫌な空気を吹き飛ばした。「意地見せてやろうや」。この言葉が全てだった。平安には、京都3位からはいあがった自負がある。

 直後の裏の攻撃は2死満塁。仲間がつないだ好機に応えたのは、失策を犯した多田だった。「最初は気持ちを整理できずに四死球でいいと思っていた」。円陣の言葉を思い出し、気持ちを奮い立たせた。「けど、僕らはチャレンジャー。割り切って振りました」。追い込まれてから、外角のスライダーに食らいつき、右前へ。逆転サヨナラの2点適時打となり、逆境をひっくり返した。

 今夏、春夏通算100勝を達成した全国選手権を主力で経験したのは、主将になった外野手水谷祥平(2年)と二塁手の北村涼(2年)だけだった。投手陣に柱となる選手もいない。ただ、原田監督はこのチームの良さを理解していた。「『俺らはへたくそや』と、分かっている」

 チーム発足当初は、「(勝てるまで)時間がかかるかな」と考えていた。京都府大会で3位に滑り込む。公式戦を重ねるごとに強くなっていった。「1週間ごとに目標を持ってやってきてくれる。常に元気だし、一生懸命」。近畿大会では、2試合続けて1点差で勝ち上がり、準決勝では優勝候補だった履正社(大阪1位)に7―0で七回コールド勝ち。水谷が「自分たちも思っていなかったコールドでした」と振り返るほどだった。

 決勝でも、底力を見せて高い経験値を得た。明治神宮王者への挑戦権を手にし、原田監督はほほえんだ。「神宮では色んな経験ができる。目的、目標をもって戦いたい」。実戦のなかで鍛え上げていくつもりだ。(小俣勇貴)