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野球一徹(3)智弁和歌山・高嶋仁名誉監督

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2018年12月14日22時03分

 春も夏も、甲子園の決勝には毎回のように足を運ぶ。

 決勝は見たいです。できるだけ見たい。高校野球の頂点を争うとるわけですから。和歌山からなら甲子園まで1時間あったら十分です。今年の決勝も行ってきましたよ。練習だったらほったらかして、「ちょっと見てくらー」って。

 2016年に智弁学園(奈良)が選抜で優勝したときも、高松商(香川)との決勝を見に行ったんです。ちょうどうちも練習試合で、終わってテレビ見たら二回くらいだった。これやったらまだいけるなあって、車で走ったんです。でも試合進行が早くて着いたらもう七回。これはちょっとしか見られんわと思ったら、神様がおるんですよ。延長になって。

 1―1で延長十一回やったかな。智弁の攻撃で2死一塁、走者がかえってきたらサヨナラ負けってところで、守る方からしたら長打を打たせたらあかんわけですよ。一言、外野に「長打警戒やで」って指示を出せば、1歩か2歩下がると思うんですけど、その指示がなかった。結果、ぎりぎりのところでセンターオーバーになって、サヨナラ負けした。一言、声かけとったら捕れとるボールなんです。優勝できるチームとできなかったチームの違いがそこにあるんです。

 決勝の舞台で学んだことは選手たちに還元される。

 自分のチームとどこが違うのか、そういうところを見て、ええところ悪いところを選手たちに話します。2死一塁なら外野手に「長打に気をつけろ」って、ちょっとしたアドバイスが必要やろって。

 かっこいいように言えば勉強しに行ってるということになりますけど、まあ好きやから行っとるんです。よそのチームって、第三者として見てるからようわかるんですよ。それがベンチでできたら最高です。ベンチでも、極力スタンドで見てるときと同じようにとは思うとるんですけどね。それができたらすごい監督だと思います。

 自分のチームは思い通りいかん。いろんなこと考えますからねえ、ベンチでは頭の中がぐるぐる回ります。甲子園の決勝に7回行ってますけど、全部うまいこと行くとは限りません。監督は難しいですよ。