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もう9回にドラマを起こさせない 近江・林の後悔と成長

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2018年10月8日17時47分

 高校野球の秋季滋賀県大会は8日、準決勝が皇子山球場であり、3季連続甲子園出場を目指す近江が滋賀学園を7―1で下して近畿大会出場を決めた。

 九回2死一、二塁。高めの直球を左前に運ばれた。近江の左腕、林優樹(2年)は完封を目前にして、1点を失った。リードはまだ6点ある。「あの経験をしたからこそ」と、気持ちを引き締め直した。九回の怖さなら、一番知っている。

 背番号「18」で臨んだ今夏の甲子園は、金城登耶、佐合大輔、松岡裕樹の3年生3人ともに「4本の矢」と呼ばれる投手陣を作り、8強まで勝ち進んだ。準々決勝の金足農(秋田)戦。1点リードの九回、無死満塁から逆転サヨナラの2ランスクイズを決められ、力尽きた。「時々、あの場面を思い出すことはあります」。大きな悔しさとともに、九回にはドラマが起きることを学んだ。

 この日は滋賀学園の追い上げを受けても冷静だった。「直球は浮いていた」。八回まで通用していた低めの変化球で打たせて取る投球を、取り戻す。後続に決定打を許さず、1失点で完投。「ピンチにはなったけど、ああやって切り抜けられた。良い経験になった」とにっこり笑った。

 新チームでは、背番号「1」を背負う。自覚から、反省も忘れない。「最後はバテました。僕が降りたら負けると思っている。完投能力が課題です」。そして、こう加えた。「夏は先輩に連れて行ってもらった。今度は自分の力で連れて行かないと」。自身3度目の甲子園へ。苦い経験を糧に、林は1本の太い矢になろうとしている。(小俣勇貴)