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滋賀)17年ぶりの8強 近江の戦いを振り返る

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2018年8月20日03時00分

 第100回全国高校野球選手権記念大会に出場した近江は、全国優勝経験のある強豪3校を次々に破り、17年ぶりの8強入りを果たした。悲願の県勢初の全国制覇には届かなかったが、その実力を甲子園で十分に発揮した。

 中尾雄斗主将(3年)の選手宣誓、「多くの人々に笑顔と感動を与えられる、最も熱い、本気の夏にする」で始まった今大会。選手たちはしっかりと実践してみせた。

 まず、注目を浴びたのは「4本の矢」といわれたタイプの違う4人の投手陣。智弁和歌山との初戦では、横手投げの松岡裕樹投手(3年)が甲子園初先発。強打者の林晃汰選手(3年)らを抑えるなど試合の流れをつかみ、変化球が持ち味の左腕林優樹投手(2年)、速球派の佐合大輔投手(3年)とつなぎ、最後は背番号1の左腕金城登耶投手(3年)が登板し、選抜大会準優勝校を破った。その後の試合もすべて継投。全試合で登板した林投手は「甲子園という場所が自分を成長させてくれている」と話した。投手陣を率いたのは有馬諒捕手(2年)。それぞれの性格や特徴を分析した冷静なリードと相手の裏をかく配球が光った。また強肩を生かし牽制(けんせい)で走者を刺し、何度もピンチをしのいだ。

 守備陣は左翼手の住谷湧也選手(2年)の好プレーが際立った。球際に強く、長打になるような当たりも好捕。背面やすべりこみながら捕球し、投手の力投を後押しした。また、試合途中から三塁に入ることの多い見市智哉選手(2年)も堅実な守備をみせた。

 打撃では北村恵吾選手(3年)が初戦で2本塁打を放つなど4試合計12打点。昨夏や今年6月にもけがをするなど、苦しい時期もあった。「1年の夏から4番として起用してくれた多賀章仁監督に恩返しをしたい」と大会に臨み、勝負強い4番打者へと成長した。また、住谷選手は13打数10安打と活躍した。

 宿舎での選手たちは卓球や水泳をして体を動かし、リラックスして過ごしていた。3~4時間ほど卓球をする選手もいて、「卓球部みたいだ」と冗談を言い合っていた。中尾主将を始め、選手らは試合でも笑顔を絶やさなかった。18日の準々決勝後、球場を後にする際、先に球場を出る金足農(秋田)の選手たちに笑顔いっぱいで、次戦への激励の声をかける姿も印象に残った。

 その準々決勝での九回裏の場面で、三塁側アルプス席を除いて球場全体が、金足農の応援一色になった異様な雰囲気は、林投手、有馬捕手の2年生バッテリーにとって酷な状況だっただろう。このとき守っていた見市選手、住谷選手も2年生、遊撃手の土田龍空選手は1年生。ベンチにも2年の浅野太輝選手がいた。今後に向け貴重な経験を手に入れたことだろう。1年夏から活躍する住谷選手は「次こそは県勢初の優勝旗を持ち帰りたい」と雪辱を誓う。滋賀県勢、そして近江が目指す「頂点」は、すぐそこまで来ている。(石川友恵)