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宮崎)日南学園、甲子園での戦いを振り返って

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2018年8月17日03時00分

 第100回全国高校野球選手権記念大会に出場した日南学園。選手たちは「史上最弱のチーム」と言われた悔しさをバネに猛練習を重ね、甲子園の大舞台で躍動した。2回戦で敗れたが、最後までチームが掲げる「超攻撃的野球」を貫き通した。

 ■投打補い合い「1勝」に結実

 新チーム結成から公式戦で一度もタイトルを取れないまま、迎えた6月。「とにかく振ろう」と金川豪一郎監督が選手に命じたのは、夜間練習で重さ2・5キロの鉄筋で素振り500回、ティーバッティング300本。選手も自主的にバットを振り、1日千回を超えるスイングで追い込みを図った。この猛特訓が「超攻撃的野球」の礎になった。

 甲子園での初戦は丸亀城西(香川)戦。「7、8点の勝負になる」という選手らの予想に反して投手戦に。エース辰己凌晟投手(3年)が球を低めに集め、蓑尾海斗捕手(3年)が「この夏一番」と評価する投球で完封勝ちした。

 一方、打線は2点止まりで金川監督は「高めに浮いた初球の見逃し」を注意した。これが選手たちに重くのし掛かった。「常葉大菊川(静岡)の投手陣も初球は高めに浮くことが多い」と分析し、選手は初球狙いの意識を強めた。

 試合ではこの積極性が裏目に。一回、先頭打者が出塁したが、次打者が初球を打って併殺に。二回には3者連続の初球打ちでチェンジ、五回も4球で三者凡退と淡泊な攻撃になった。

 五回終了後、金川監督は「あくまで狙うのは初球の高めのストライクだけ」と指示を出し直したが、チームは修正できなかった。相手投手の低めの変化球にも苦しみ、六、七、八回は走者を出しながら、いずれも遊ゴロ併殺でチャンスをつぶした。

 この試合は、両チームの監督が選手に判断を任せる戦いを見せた。

 常葉大菊川は持ち味の「ノーサイン野球」。一方、「要求を待つな」と指導されてきた日南学園の選手たち。三回1死一、三塁で内野陣がマウンドに集まった際も監督は伝令を出さず、選手たちは自分たちで考えてピンチを1点でしのいだ。

 金川監督は「選手たちに考えさせたいという狙いがあった。社会に出ると自らの判断力がもっと重要になる。その準備の意味合いもあった」と思いを語った。

 試合は0―3で敗れ、16強を前に選手たちは甲子園を去った。

 主将が2度も変わり、一体感に欠けていたという日南学園。しかし今夏は、打線が不発ならバッテリーが抑え、エースが調子を崩せば打線が爆発。ベンチ外のメンバーも練習の準備や声出しで貢献した。県内最多の部員115人の結束力が甲子園1勝に結びついた。(高橋健人)