メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

選手とぶつかったことも…就任1年目監督、導いた甲子園

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • メール

2018年8月14日09時08分

 (13日、高校野球 大阪桐蔭10―4沖学園)

 甲子園初出場の沖学園(南福岡)を率いたのは、就任1年目の鬼塚佳幸監督(36)。時に選手とぶつかりながらも、その実力を引き出した。13日、大阪桐蔭を相手に堂々と戦った。

 六回裏、同点から4失点し、なおも2死一、三塁のピンチ。柴田仁魁君(3年)が伝令へ走った。「笑って思い切ってやってこい」。監督からの伝言を聞いた選手たちは笑顔を取り戻し、次打者を抑えた。

 鹿児島出身の鬼塚監督は、地元の神村学園を経て2016年に沖学園の部長、昨夏の福岡大会後に監督になった。だが選手の多くは前監督を慕って入学。当初はサインも無視し、自分のプレーしか考えない選手も多かった。

 捕手の平川夏毅君(同)は元々主将だった。それたボールを全力で拾わず、声を出してみんなを引っ張るわけでもない。鬼塚監督は3月、全員を集めて伝えた。「今からキャプテンは阿部にする」。阿部剛大君(同)が主将になった。

 平川君は後日、「もう一度、やらせてください」と直訴した。鬼塚監督は「戻す場合は言う」と応えたが、結局、代えなかった。3カ月後。平川君を監督室に呼び、約1時間説明した。「捕手は9人の中で唯一、逆を向いてプレーする。チームを引き上げるかどうか、おまえにかかっている」

 平川君は投手の球をそらさないよう、体をつかって止めるように変わった。13日、平川君はチームをもり立て、六回には二盗を試みた根尾昂(あきら)君(同)をアウトにした。鬼塚監督は「生き生きとして、全力でやってた。本来の力が発揮できた」。

 試合後、「キャプテンは外されたけど、その分キャッチャーに集中できた」と話した平川君。鬼塚監督は目尻をぬぐった。「選手たちにここまで連れてきてもらった。感謝ですね」(角詠之)