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元野球少女のマネジャー、ベンチから見た甲子園への思い

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2018年8月11日12時36分

 (11日、高校野球 龍谷大平安3―2鳥取城北)

■鳥取城北 山根瑠華・記録員

 ベンチから見上げた満員の甲子園。思いが、こみ上げた。「やっぱり、ここで野球がしたいな……」

 野球少女だった。2学年下の弟の影響を受け、小6から野球を始めた。「ヒットを打つのが気持ち良かった」。中学の軟式野球部でも、女子は1人。男子と同じ量の走り込みをこなした。でも、鳥取県内の高校に女子野球部はない。自宅の近くにあり、よく練習を見学していた鳥取城北のマネジャーになった。

 部員135人の大所帯。23升のご飯を炊き、大鍋でカレーなどの料理を作るのが主な仕事だ。でもグラウンドを見ると、無性にバットが握りたくなる。そんな時は、自宅で弟にノックを打ったり、父親とバッティングセンターに行ったりして、気持ちを紛らわせた。

 最後の夏。6月に部内の3年生が全員出る記念試合があった。試合前、仲間の計らいでバットを握らせてもらい、ノックを打った。「野球をやって良かった」。心から、そう思えた。鳥取大会の開会式は、入場行進にも参加した。

 甲子園初戦のベンチには、3年生がプレゼントしてくれた名前の刺繡(ししゅう)入りのアップシューズをはいて入った。チームはサヨナラ負けしたが、涙は我慢した。「笑うのが、このチームだから。自分が泣くのはちょっと違うなって思って」

 試合を終え、改めて思った。「女子野球にも、甲子園大会があったらな」。自分はもう出られないけど、将来子どもが生まれたら、その夢を託したい。(前田大輔)