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スライダー2種操る「秘密兵器」冬に球速20キロアップ

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2018年8月10日21時49分

ハイライト動画 奈良大付×羽黒

 (10日、高校野球 奈良大付4―1羽黒)

 ふわりと曲がりながら捕手のミットに届いたかと思えば、今度はガクンと鋭く打者のひざ元へ。どちらも球種はスライダー。奈良大付のエース、木村は言う。「僕は2種類のスライダーが投げられる。投球のすべてと言ってもいいくらい」

 九回の最大のピンチでも2種類のスライダーを信じた。1死一、二塁。本塁打なら同点だが「打たれる気はしなかった」。左の代打・佐々木へは直球を軸に追い込み、内角低めへストライクからボールになる123キロで空振りを奪った。次打者へは緩い117キロで入り、最後は内角速球で詰まらせ遊飛に打ち取った。

 2種の宝刀は「(ボールの)回転数を多くするために、人さし指を立てて投げるかどうかの違い」と、投げ分けている。他の変化球はほとんど使わず、9回1失点。チームを初出場初勝利に導いた。

 じつは、奈良大会の初戦が公式戦初のマウンドだった。「チーム一走った」と冬場の走り込みで球速が20キロ近く上がり、春の県大会でも背番号1を背負ったが、試合前のキャッチボールで思わぬけがに見舞われた。ボールがイレギュラーして左耳に当たり、6針縫うことに。治った時にはすでにチームは負けていた。

 奈良大会では打線が奮起し、出場56校中トップのチーム打率4割5分8厘をマーク。強力打線に隠れていたが、仲間からは「秘密兵器」と呼ばれる右腕。「最高の投球ができた」と、にんまり笑った。(山口裕起)

 ■1番宮川の一発

 奈良大付の1番宮川がチームを勇気づけた。一回は中堅への二塁打を放ち、先制の起点となった。そして五回無死一塁、「直球を待って体が反応した」と外角よりの変化球をバットの芯でとらえ、右中間席まで運んだ。冬場は1日千スイングをノルマに振り込んだ。「うちは打って勝つチーム。自信があった」

 ○田中監督(奈) 春夏通じて甲子園初勝利。「最初のストライクから思い切り振る普段通りの野球ができた。初回に先制できたのは、大きかった」

 ○植垣(奈) 一回無死二塁で先制につながるバント安打。「三塁線に転がそうと決めていた。狙い通り。バント練習の成果です」