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広陵愛用「カチカチバット」 息子の本塁打見たくて開発

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2018年8月12日07時44分

 昨夏の甲子園で6本塁打を放った広陵の中村奨成選手(現・広島)が使った素振り用バット「カウンタースイング」。通称「カチカチバット」を今年のチームも練習に採り入れている。開発の背景には「父の愛」があった。

 3日、兵庫県尼崎市。練習に励む広陵に、開発者で京都府に住む野田竜也さん(49)が激励に訪れた。「応援することで少しでも恩返しをしたくて」。カウンタースイングは2010年に広く販売を始めたが、昨夏までは平均して月に10本売れるかどうかだった。

 野田さんはもともと、建設関係の仕事をしていた。野球を始めた長男は体が小さく、小学2年だった16年前、「なんとか息子のホームランを見られないか」と考えた。会社で余った資材で練習用バットの試作を重ね、開発に至った。

 バットには上下に移動する重りが二つ。振ったときに「カチカチ」と重りの衝突音が2回鳴ると、遠回りのスイング。「カチ」と1回きりなら最短距離だ。このスイングで、選手によっては体の力を最大限生かして球を打ち返すことができるようになる、という。

 長男が広陵野球部に進んだ縁で中井哲之監督にカチカチバットを紹介すると、「遊び道具でもいいけえ」と導入してくれた。

 野球経験者でも1回だけ鳴らすのは難しいが、中井監督の長男で、昨春に副部長に就任した中井惇一さん(23)が選手にあわせた活用法を模索。動画を撮影して見比べたり、打撃練習の合間にフォームを確認したりしている。

 野田さんは3日、中井監督からの依頼もあり、背番号12の秋山功太郎君(2年)にアドバイス。野田さんは「奨成の動画がある。見比べてみい」とスマホを差し出しながら、「もっと肘を胴にひきつけるように打つんや。音が違って聞こえるやろ?」と声を掛けた。

 秋山君は「この方が強いインパクトで打てる感じがある。もっと練習し自分のものにしていきたい」と話していた。(新谷千布美)