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愛媛)チームに欠かせない学生コーチ 済美・山口貴也君

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2018年8月11日03時00分

 第100回全国高校野球選手権記念大会に出場している済美は12日、2回戦で星稜(石川)と対戦する。甲子園入りしてからの練習を仕切るのは、背番号18の学生コーチ、山口貴也君(3年)。持ち味の「声」で選手らを後押しする。

 「あと2本!」。兵庫県明石市のグラウンドで8日、一列に並んだ選手らの前でバットを持つ山口君の大きな声が響いた。山口君がバントの動作をすると一斉に走り出す。スタートを切る練習だ。ダッシュで息を切らした選手に「ナイススタート」と声をかけた。

 山口君は小学4年の時に軟式野球を始めたが、なかなか試合に出られなかった。「どうやったら出られるのか」と父親に相談すると、「声を出せ」と言われた。いいプレーがあれば「ナイス」、ノックでは「元気出していこー」と、とにかく声を出し続けていると、声を出すことで周りも見えるようになってきた。中学3年では一塁手のレギュラーになった。

 進学した済美のレベルは高く、最上級生になった新チームでは記録員。悔しかったが、「自分の取りえは声かけだ」と、小学校から続けてきたことは変えなかった。「9人だけが試合をするんじゃない。色々な役割がある」と考えるようにもなった。

 夏の愛媛大会が始まる1カ月ほど前に、中矢太監督から伝えられた。「お前の一球を他のメンバーに捕らせてほしい」。任されたのは学生コーチ。自分の練習はできない。山口君は「分かりました」と答え、自分のグラブを一塁手の伊藤駿吾君(3年)に託した。愛媛大会では背番号18。三塁コーチとして「こっからこっから」と声を上げ、甲子園でもベンチ入りした。

 中矢監督は「エースの山口(直哉)が中心だが、もう1人の『山口』の存在がこのチームで非常に大事」と話す。靴をそろえたり扉を押さえたりなどの気配りができ、モノマネなどで会話を盛り上げることもできる、チームをまとめるのに欠かせないメンバーだ。

 次戦は星稜戦。「仲間が打席に入ったら、自分が声をかけて、リラックスさせたい」と意気込んだ。(寺田実穂子)