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熊本)東海大星翔、35年越しの甲子園での1勝ならず

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2018年8月9日03時00分

 東海大星翔は8日、岐阜代表の大垣日大と対戦し、9―3で敗れた。35年越しの甲子園での1勝は、ならなかった。「満足じゃないけど、出られたことは誇りに思う」。涙も、笑顔もこぼれ落ちて、選手たちはあこがれの地を後にした。

 ■粘って3出塁 役割貫徹 中嶋大晴選手

 この日も、中嶋大晴(たいせい、3年)は粘った。

 先頭打者として打席に入った三回表、2ストライクに追い込まれてから4球目をカットしファウルでしのぐ。続いて2球連続でボール球を見極めると、7球目は再びファウル。8球目で四球を選び、出塁した。「嫌らしい打撃」は、甲子園でも健在だった。

 身長168センチ。この日のスタメンでは一番小さい。他の打者に力では劣るからと、生き残るために人と違うことをしようと考えた。今年の春ごろから、ノーステップ打法を取り入れ、きわどい球はカットして逃れる技術に自信がついた。今では打撃練習でも、3球に1回はカットする。熊本大会でも、粘って選んだ四死球は6試合で8。持ち味を尋ねると、「相手のいやなことをすること」と、ニヤリと笑っていた。

 「普通に打てば、打率3割は超えられるかもしれない。でも、みんな同じように打っていてもだめだから」。中嶋はそう話す。打とうという気持ちが先立つこともあったが、今は役割に徹し、粘ることを優先する。攻撃の時間を長くして、エースを休ませたいとの思いもあった。

 四球で出た三回表、相手投手の暴投もあって三塁まで進み、5番打者の内野ゴロで本塁まで走り込んだ。それた送球を少しよけるように頭を下げ、足から突っ込んだ。セーフ。右前安打で出塁した初回に続き、2度目のホームを踏んだ。

 この日、中嶋は3打数2安打、出塁は3回と大活躍。しかし、チームは敗れた。「3年の夏は泣かないでおこうと決めていた」という中嶋の目には涙はなかった。「1勝して勢いをつけたかったけど、勝てなかったことだけが悔しい」と話し、「後輩に次、甲子園に行って1勝してほしい」と思いをつないだ。(杉山歩)