メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

鹿児島)鹿実、金足農に敗退 つないで八回に一矢

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • メール

2018年8月9日03時00分

 鹿児島実は8日、金足農(秋田)と対戦し、1―5で敗退した。今大会屈指の好投手を攻略できず、創部100年の節目の年に結果を残せなかったが、丁寧につなぐ野球を大舞台でも発揮。スタンドから、ふるさとから、全力で戦い抜いた選手たちに大きな拍手が送られた。

 ■託された友人のグローブで 3番打者の中島翔君

 自分以外の思いも背負って臨んだ大舞台だった。

 3番打者の中島翔(かける)君(3年)の2打席目。金足農のエース吉田輝星(こうせい)君(3年)の球を2球続けてフルスイングで空振りすると、バットを指2本分だけ短く持ち替えた。確実にボールに当てるためだ。だがセンター前に返そうとして、二ゴロに打ち取られた。

 身につけていた使い古されたバッティンググローブは、鹿児島大会の4回戦で対戦した鹿児島城西の山口颯馬主将(3年)のものだ。小学生のときからの友人で、同じ地区でよく一緒に野球をした。別の中学校に進んでからも、同じ3番打者として競い合ってきた。鹿児島大会での試合後、「これを使ってがんばれ。甲子園に行ってくれ」と譲り受けた。

 出身は垂水市。鹿児島大会の準決勝で鹿屋農、決勝では鹿屋中央と相次いで大隅の高校を破り、甲子園の切符をつかんだ。「大隅の選手の分までがんばろう」との思いを強くした。

 しかし、大舞台で強敵が立ちはだかった。

 鹿児島大会での打率は5割2分6厘とチームトップの中島君だったが、金足農の吉田君が繰り出す緩急のついた投球に翻弄(ほんろう)された。事前に研究し、対策をしてきたはずだったが、「キレが全然違った」。

 3打席ノーヒット。六回に打席を益満雄仁君(3年)に譲り、一塁のコーチスボックスで試合の終わりを見届けた。

 グローブを託した山口君や応援してくれた人たちのために、勝ちたかった。本塁打を打ちたかった。

 今日のこの悔しさは、次に生かしてみせる。進学し、社会人野球をしたい。

 その先は。目を潤ませながらも、背筋を伸ばした。

 「いずれプロになりたい」(小瀬康太郎)