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控えの先輩の言葉、荒れた自分を変えた 離島出身の4番

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2018年8月8日22時13分

 (8日、高校野球 大垣日大9―3東海大星翔)

 東海大星翔(熊本)の竹下翔梧君(2年)は、熊本県天草市の離島出身だ。野球をするために島外の中学校に入ったがなじめず、真剣に取り組めない時期があった。先輩のある一言をきっかけに変わった。

 8日の大垣日大(岐阜)戦。七回に3点本塁打を打たれて6点差になった。暗い顔で守備をする選手が多いなか、竹下君は笑顔で明るく振る舞った。

 育ったのは、人口約700人の横浦島。祖父の影響で小2で野球を始めた。天草市中心部で活動する小学生向けのクラブチームに船で通った。

 地元の中学校には野球部がない。「野球できないのは絶対に嫌だ」。両親に学区外の中学への進学を頼んだ。母の恵美さん(50)は「小さい学校から大きい学校に行かせるのは心配で悩んだ」と振り返る。

 一家で島外に移住したが、疎外感を感じ、学校が嫌いになった。高校でも野球部に入ったが、気持ちはすさみ、練習では返事もしなくなっていた。

 高1の夏。同じ寮で仲良くしていた二つ上の先輩の荒木崇稔さん(18)が学校であった「最後のミーティング」でこう言った。「最後は気持ちだ」

 荒木さんは控えの捕手だが、どんなピンチでも笑顔で声を出していた。尊敬する先輩の言葉に「何をやるのも自分の意思なんだ」と悟った。結局は自分次第。強い気持ちで声を出そう――。

 荒木さんには帽子のつばに書いてもらい、その日を境に気持ちを改めた。

 甲子園では雰囲気にのまれ、4番の役割ができなかった。それでも九回の最後までベンチから身を乗り出して声を出した。

 「相手はプレッシャーに強かった」と話した竹下君。甲子園に来るチャンスはまだ2回ある。改めて誓った。「必ずここに帰ってくる」と。(杉山歩)