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「62年ぶり」の期待の重み 期待の右腕、狂った制球

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2018年7月21日20時59分

 (21日、高校野球北福岡大会準決勝 飯塚8―6小倉)

 62年ぶりの夏の甲子園へ――。その期待を小倉のエース河浦は一身に背負っていた。

 「俺が抑えなきゃ」。先制した直後の二回、球が浮いたところを相手打線にたたかれた。焦りがさらに制球を狂わせ、甘く入ったカットボールは右翼席へ。この回、5点を失った。

 プロも注目する本格派右腕で、直球は最速140キロ台後半。OBで、ヤクルトで活躍した安田猛さん(71)の指導もあり、シュートやチェンジアップ、カーブなど多彩な変化球も身につけた。春の福岡大会ではチームを優勝へ導いた。

 今大会も4試合をほぼ1人で投げ抜いた。1947、48年に大エース福島一雄を擁して夏の甲子園を連覇した古豪に現れた久しぶりの「甲子園を狙える」エース。周囲の期待も大きかった。

 二回は最も自信のある直球を狙われた。「ワンランク上の相手。自分のまっすぐが通用しないことがわかった」。その後は変化球を中心に組み立てたが、五、八回にも失点。今大会初めて、2桁安打を許した。

 九回の攻撃、最後の打球が相手右翼手のグラブにおさまるのを、ネクストバッターズサークルで見届けた。相手の校歌を聞き、スタンドへ一礼。ベンチ裏に戻り、「ただただふがいない」とカバンの前にしゃがみ込んで、肩を震わせた。

 仲間、マネジャー、指導者。多くの人を「甲子園に連れて行く」と約束した。球場を出て、大勢の人に囲まれてつぶやいた。「笑って終わりたかったな」=北九州市民(狩野浩平)