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ウィニングボールを被災地から来た敗者に 試合後の木陰

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2018年7月20日16時22分

 (20日、高校野球広島大会、崇徳9―0熊野)

 感謝を込めたウィニングボールが勝者から、被災地から来た敗者へ手渡された。

 20日にあった高校野球広島大会2回戦。9―0(七回コールド)で勝った直後、崇徳の主将、株本龍次(3年)は決めた。球審からもらった白球を相手に贈ろうと。「大変ななかで、試合をしてくれた。ありがとうという気持ちです」

 敗れた熊野は西日本豪雨で大きな被害を受けた熊野町にあり、大会が開幕した17日まで休校が続いた。その間、主将の加百(かど)瑞己(3年)が呼びかけ、土砂をかき分けるボランティアに参加していた。

 崇徳にも学校に通えなかった部員がいた。選手たちから声があがり、試合後に熊野にスポーツ飲料を贈ることを事前に決めていた。「同じ県民として、何かできることはないかと考えた」と藤本誠監督は言う。

 試合後、崇徳の選手たちは段ボール箱を抱え、株本はウィニングボールを携えて熊野の選手たちを探し、右翼後方の木陰で落ち合った。

 激励とともにボールを差し出した。「厳しいと思うけれど、後輩たちもいるから、これからも頑張ってくれ」。受け取った熊野の加百は、「うれしい気持ちでいっぱいです」と笑った。お返しに千羽鶴を株本へ。「これから戦っていく上で、頑張るモチベーションになります」。株本も笑った。

 トーナメントが続く崇徳と、被災した地元に戻る熊野。互いの気持ちを支えに、前に進んでいく。=コカ・コーラBJI(大滝哲彰、小俣勇貴)