メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「投手を楽にしてやれる言葉を」敗れた延岡学園の捕手

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • メール

2018年7月13日10時11分

 優勝候補が敗れる波乱――。宮崎大会は12日、2回戦6試合があり、第1シードの延岡学園が延長の末、初戦敗退した。前年の優勝校、聖心ウルスラは接戦をものにし、3回戦に駒を進めた。13日は残るシード校の日章学園と都城東が登場する。

 ■「投手を楽に」打席でも 延岡学園・三藤成一郎捕手

 延長十二回、延岡学園の三藤成一郎捕手(3年)は自らの打球がレフトフライに終わると、ベンチに戻りながら空を仰いだ。

 小学生の時、父親の転勤で引っ越した福岡市で野球を始めた。中学2年で宮崎市に戻り、「甲子園で活躍したい」と私立の強豪、延岡学園の門をたたいた。

 1年春から正捕手。しかし、勝った試合は大量得点によるものが多く、「延岡学園はバッテリーが弱い」という言葉を耳にしたこともあった。

 9失点で初戦敗退した春の選抜大会。試合後、プロ野球で正捕手として活躍した三浦正行監督に「投手の良さを引き出せる捕手になりなさい」と言われ、誓った。「ピンチの時ほど、マウンドで投手が楽になれる言葉をかけよう」

 息詰まる宮崎工との戦い。同点にされた八回、2死でマウンドに上がった舟谷翔大投手(3年)に「気持ちで負けるな。思い切り来い」と伝えた。持ち味の球威あるスライダーを中心に配球を組み立て三振で切り抜けた。続く九回は三者凡退。3人目の打者は追い込んだ後に再び期待通りのコースにスライダーが決まって三振に切って取った。

 14年前に少年野球チームを全国優勝に導いた祖父、克臣さん(73)に教わった「打席での間の取り方」を生かし、打撃でも好機を演出した。相手の投球動作に合わせて右足を引き、投げた瞬間に踏み込んで球をぎりぎりまで見極める打法。1打席目は球を見極め、四球で出塁。その後の打席は2打席連続安打。七回は犠飛で得点を挙げ、十回の5打席目は外角の変化球にタイミングを合わせ、技ありのテキサスヒットを放った。

 3点をリードされて迎えた十二回は一塁に走者を置いて打席に立ったが、出塁できなかった。次打者の小幡竜平選手(3年)が2点本塁打を放っただけに、「自分が出塁できていれば……」と悔やんだ。

 選抜で甲子園を経験し、6月の県選手権でも優勝。優勝候補筆頭として挑んだ夏だったが、初戦敗退に終わった。「あまりにあっという間過ぎて……」。スタンドで声をからしたチームメートの顔を見たとたん、感情が抑えきれず、涙があふれた。(高橋健人)