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龍谷大平安に、兄は通用していた 打球なぞった弟の決意

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2018年7月11日21時33分

 (11日、高校野球 龍谷大平安9-2京都八幡)

 京都大会の2回戦。京都八幡は、優勝候補の一角、龍谷大平安に挑んだ。三塁手の勝平大(2年)にとっては、兄弟で臨む最後の夏だった。

 左翼を守る長男の駿(3年)は1番打者で、次男の大が2番打者。この春先に決まった打順だ。試合前、弟は念じていた。

 「まだ駿と一緒に野球をしたい。120%の力を出せば勝てる」

 「兄弟」というつながりは、不思議だ。駿に続き、大がバットを果敢に振る。すると白球は、兄の打球の軌道をたどるように飛んだ。

 一回の第1打席は、2人とも投ゴロ。三回の第2打席も同じ左飛。ただ、駿のゴロは痛烈で、フライはフェンスぎりぎりまで伸びた。大は打ち損じた当たりだった。「やっぱりパワーが違うな」。ちょっとだけ悔しかった。

 兄弟は同時に野球を始めた。駿が小2、大が小1のときだ。兄はライバルであり、憧れだった。内野を守る大に対して、駿はどこでも守れた。京都八幡で1年夏からレギュラーになった駿を追うように入学した大は、最初の夏をベンチ外で終えた。部活でも家でもあまりしゃべらない。でも、いつも背中を追いかけていた。そして、「いつか追い抜いてやる」とも。

 五回の第3打席は、そろって空振り三振に倒れた。そして、七回の最後の打席。兄は遊飛に倒れ、弟には代打が送られた。

 2―9で七回コールド負け。ただ、大の目には、駿の力が強豪相手に通用しているように見えた。「お兄ちゃん、やっぱり、かっこよかったです」。2人での高校野球は終わった。

 試合後、兄は目を赤くしながら言った。「僕の後を打ってくれて、頼れる弟やし、頼れる後輩でした」。大学に進んでから、野球を続けるかは分からない。だから、願いを託した。「来年は(本塁打を)一発かまして、活躍してほしい」

 弟にも、願いがあった。「大学でも続けてほしい。まだ追い越していないので」。兄に追いつく夢は、諦めていない。=太陽が丘(小俣勇貴)