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熊本)必由館・熊本二・天草工が2回戦へ 高校野球

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2018年7月5日03時00分

 球児たちの熱戦が始まった。台風が過ぎた青空には、白球を追う姿が映える。初日から、あきらめずに戦う球児たちの熱い心がプレーに表れ、スタンドに詰めかけた多くのファンが一喜一憂した。

 ■主将の意地 苦手な低め右前安打 南稜・宮田明佳主将

 七回裏、南稜は先攻の必由館に10―1と突き放されていた。打席に立ったのは、主将の宮田明佳(3年)。直前に2死から代打で出た野村斗馬(2年)が右前安打を放っていた。「最後は自分が引っ張っていかないと」。そう思い、ボールを待った。

 必由館の投手の球が低めに集まっていることは分かっていた。狙ったのはその低めの内角直球。思い切り強くたたくと、右前に飛んだ。スタンドは沸き、ベンチには笑顔がこぼれた。

 実は、低めの球には苦手意識を持っていた。いつも力が入ってうまく打てない。しかし、この時は、3得点以上しないとコールドで試合が終わる場面。「自分が引っ張って全員で回さないと」という気持ちだったという。池本孝政監督も宮田の1本を「意地の表れ」と話した。

 宮田は小中高と常に野球チームで主将を務めてきた。監督が「今までにいない選手。面倒見が良くて信頼されている」と評するように、高校では練習メニューの組み立てや選手たちの生活指導までこなしてきた。

 試合は、後続が断たれ、コールド負けした。それでも、試合が終わり整列するとき、宮田は野村に一言「ナイスバッティング、ありがとう」と声をかけた。中学からの後輩で宮田を「責任感があって、尊敬できる」という野村は、涙をこらえられなかった。

 きついメニューを課しても、ついてきてくれた後輩たち。宮田は涙を拭きながら「まだまだ後輩にも足りないことは多い。一つひとつチームの課題を克服していってほしい」と語った。(杉山歩)