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夢は言葉に 堂々と「甲子園優勝」掲げて 小林幸子さん

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2018年7月9日15時21分

 100回目の夏がいよいよ幕を開ける。夢の舞台をめざし、一球一球に魂を込める高校球児たちに、新潟市出身の歌手、小林幸子さんが応援メッセージを贈る。

 9歳の時、父親がテレビのオーディション番組に応募したのが歌手になるきっかけでした。美空ひばりさんの歌まねが審査員の目に留まり、デビューしました。「自分らしさが大事」ってよく言われますけど、野球も歌も、最初は先輩をまねることがスタートです。そのなかで、自分らしさを形作っていけばいいんです。

 ヒット曲に恵まれるまで15年かかりました。時代や運もありますから、努力が全部報われるわけではありません。ただ、その運を引き寄せるためにも、努力は続けないと。苦しいと思う時もありましたが、夢に向かっているなら、苦しいのは当たり前のことだと思います。

 業界でも、若い人から「もうやめたい」「苦しい」と、悩みを打ち明けられることも多いんです。その時、私は一つだけ質問をすることにしています。「嫌いなの」って。人間関係や環境の問題を抜きにして、今やっていることが好きか嫌いかが大事。「いや、好きなんです」と答えれば、「だったら続けなさい」って。野球が好き、歌が好き……。私も、好きだからこそ、続けられたんだと思います。

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 新潟の人は、どうしても一歩、二歩下がってしまうところがあります。昔は新潟弁の独特のイントネーションを気にする方もいましたが、いまは地方の文化が注目される時代です。新潟の球児のみなさんも、もっともっと自信を持って、他県の人たちに新潟のすごさを伝える、新潟自慢をして欲しいですね。

 新潟の高校は甲子園で優勝したことはありませんけど、だからといって臆することはないと思います。大事なのは、かなえたいことがあったら口に出すこと。1978年の大みそか、私は興行先の熱海のホテルで紅白歌合戦を見ながら、「来年は紅白に出る」と冗談半分で宣言したんです。周りの人は無理だと笑いましたが、それが現実のことになったんです。

 だから、ぜひ「甲子園優勝」を堂々と目標に掲げて欲しいです。雪国だから不利、なんて言われることもありましたけど、雪国だからこその粘り強さを発揮して欲しいですね。

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 紅白歌合戦をはじめ、色々なステージに立ってきました。でも、もっとすてきな夢の舞台が、この先に待っていると思います。年齢を理由に、「これくらいで」と妥協する人もいます。でも、それはあってはいけないこと。私もまだまだやりたいことがたくさんありますから。

 演歌だけではなく、いま歌っているジャズ、さらに外国の歌にも挑戦していきたいです。球児のみなさんは若いんだから、なおさらです。甲子園はもちろん、その先の将来も、どんどん色んなことに挑戦していって欲しいと思います。

 いまの子どもたちって、せっかく便利な時代に生きているのに、自分の主張をするのが上手ではないと感じます。人と違うことが怖いのか、周囲の目を気にする子が多いんですね。「おかしい」と笑われても、「おかしくない」と自信を持って欲しいと思います。恥ずかしくなんかないんです。夢なんだから。

 「紅白出場」でも「甲子園優勝」でもいいんです。言霊って生きてますから、夢はどんどん言葉にしていかないと。(構成・武田啓亮)

 こばやし・さちこ 1953年12月5日生まれ、新潟市出身。10歳で「ウソツキ鴎(かもめ)」でデビュー。「第2の美空ひばり」と騒がれた。79年の「おもいで酒」は200万枚の大ヒットを記録し、NHK紅白歌合戦に初出場。その後も「雪椿(ゆきつばき)」などヒットを連発。2013年に新潟県民栄誉賞受賞。15年に新潟観光大使に就任。