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卒業式を支えた野球部員、新年度へ不安あるけれど 釜石

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2018年3月12日11時52分

 ■しまっていこー 釜石

 1日、釜石(岩手)では卒業式が行われた。駐車場の誘導係は今年も野球部の担当。例年ならスムーズに行く仕事だが今年は勝手が違った。

 低気圧の影響で、朝から台風を思わせる暴風雨。来賓に加え、式に参列する保護者の自家用車がひっきりなしに押し寄せたのだ。1、2年生部員はカッパを着込んで臨んだが、あっという間に全身ずぶぬれに。「あと何台行ける?」「え? 聞こえなーい」。風と雨で、20メートルほど先にいる仲間の声が聞き取れず、誘導にてこずった。

 落ち着いたのは開式10分前の午前9時50分ごろ。ぬかるむ足元も気にせず、部員たちは走って体育館と校舎をつなぐ渡り廊下へ。ぎりぎりで、入場待ちをしていた先輩たちとハイタッチを交わすことができた。

 式の間、野球部員は会場ではなく別室で待機。3年生部員のために用意した色紙に、メッセージを書き込む時間に充てた。2年生の山崎元気は「一緒に野球をやってくれてありがとう。いつかまた、みんなで一緒に野球をしたい」と記したという。

 山崎は、チームを引っ張る姿勢が目を引く存在だ。この日の朝も、だらけそうになっていた仲間に「早く持ち場に行こうぜ」と声を掛けた。そんな山崎だが、「自分たちだけで本当に大丈夫かな。3年生は顔を合わせると『最近、部活どうだ?』って気に掛けてくれた」と弱気な言葉も。

 ただ、寂しがってばかりもいられない。今月から対外試合が解禁になり、夏の第100回全国選手権大会を見据えた強化が一気に本格化する。「みっちりトレーニングをしようと思っていた冬が、あっという間に過ぎた。コツコツやってきたことがどんな形で出るか楽しみだなとも思う」。山崎の顔は、1年前よりたくましく見えた。(松沢憲司)