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秋田)悔しさをバネにベスト16 工藤明さん(41)

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2018年2月7日03時00分

 甲子園での雪辱を期し、能代商(今の能代松陽)の2011年が始まった。

 春。県大会でエースの保坂祐樹投手を登板させなかった。「保坂に頼らず、どこまで戦えるか。夏までに弱点を明確にしたかった」。初戦で敗れたが、選手たちはエースに頼らず、全員でつないで打ち勝つ野球の大切さを思い知った。

 夏。投打に力をつけ、秋田大会を連覇。「やっと戦いの場に行けるという思いでした」。甲子園の公式練習でも落ち着いていた。吉野海人選手は「こまちスタジアムより狭いですね」と言ってみせた。

 1回戦の相手は神村学園。0―15で完敗した昨夏の鹿児島実と同じ、鹿児島代表だ。対戦のくじを引いた山田一貴主将は「よっしゃー」と叫んだ。監督も「1年間やってきたことを出せばいい」と腹をくくった。

 試合は五回まで1―3。だが、負ける気はしなかった。先発の保坂投手は死球を出しながらも強気に内角を攻め、打者も鋭く振っていたからだ。グラウンド整備の間、ベンチで選手たちに気合を入れた。「まだ力を発揮していないぞ。去年の悔しさを思い出せ」

 直後の六回表の攻撃、最初のストライクから打ちにいく積極性で一挙4得点して逆転。5―3で雪辱を果たすと同時に、秋田勢の初戦連敗を13で止めた。

 うれしさがこみあげたが、宿舎で選手たちに言い聞かせた。「次の試合がある。喜びはのみ込んで、切り替えよう」

 2回戦は英明(香川)に2―0で完勝。3回戦で如水館(広島)に延長十二回2―3で惜敗したが、ベスト16の健闘をみせた。「個人の力は劣っていても、みんなで協力すれば強い力になる。野球のだいご味をみせることができたと思います」

 昨秋の東北大会は4強ながら、今春の第90回記念選抜大会に選出されなかった。だが、悔しさをバネにするのが「NOSHO」の身上だ。「夏に向かって経験を積み重ねていきたい」と、新たな雪辱を誓った。(渡部耕平)