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久留米商、頼りになるトレーナー 野球部OB、後輩支援

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2017年2月19日09時44分

 ■しまっていこー 久留米商

 久留米商の練習はいつものインターバル走から始まった。13日夕、1年生の遊撃手、神代恭平は全体から離れ、ジョギングをした。ひじの骨を留めていたピンを4日前に取ったばかりだった。「状態は7割ぐらい戻っていた。これからの回復は早いと思います」

 入学直後には試合に出て、夏の福岡大会もベンチ入りした。それが昨年9月21日、バキッとひじの骨の一部がはがれた。ノックの最後、本塁返球の際だった。手術を受け、以来リハビリ生活。今回は仕上げの手術で、復帰が近づいた。

 初めての大けがに「焦った」そうだが、久商には頼りになる人がいた。野球部OBの猪口覚トレーナー(28)だ。理学療法士となり、6年前、後輩たちの支援を買って出てくれた。

 「自分だけだったら、迷って何をしていいのか分からなかった」と神代。医師の指示に基づくリハビリメニューを示し、寄り添ってくれる。まず関節の可動域を広げ、ごく短い距離のキャッチボールへ……。リハビリは地道な取り組みだ。トレーナーがいなければ、あるいは急いで無理をしてしまったかもしれない。

 猪口トレーナーは久商時代、身長が十数センチ伸びた。ひざの成長痛など故障がちだった。神代も似ている。入学後6センチ伸び、いま173センチ。ひじの骨折も成長過程の骨に負荷がかかったためと考えられる。ひざ痛があり、冬の体力強化練習は完全にこなせなかった。神代は割り切った。「体だけは大きくしよう」。しっかり食べて体重も10キロ増だ。

 「神代に言ったんです」と猪口トレーナー。「けがが1年生のこの時期でよかったじゃないか、と。2年の秋なら、夏はあと1度しかなかったんだから」。神代は、そうですね、とうなずいたという。耐え忍んだ日々の成果はきっと出る。(隈部康弘)