メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

バーチャル高校野球

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

3リットル弁当・1日白米5合 体重増で本塁打量産

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ■高校野球福岡大会

 「部員の練習や日頃の調整などでなにかユニークな取り組みをしていますか」。そう尋ねたところ、「3リットル弁当を食べさせています」「一日5合食べている」など、驚愕(きょうがく)の食欲をうかがわせる回答が多数あった。単に食い意地が張っているのではなく、パワーをつけるため白米をがっつく、通称「食トレ」を採り入れているようだった。球児たちの力の源である「ドカ弁」をのぞきに学校を訪れた。

 「ちょこんと当てただけなのに場外まで飛んだ」

 福岡県内の高校野球指導者が舌を巻く長打力の持ち主が光陵の4番、吉村有人君(3年)だ。今大会注目のスラッガーの弁当箱は容量2・2リットル。おかずは少しでほとんどが白米だ。

 吉村君がこの量を食べ始めたのは入部した2年前。プロを目指す吉村君にスポーツトレーナーでもある新川剛監督(35)が助言した。「体重が増えると筋肉も強くなる。思いっきり振らなくても飛距離が伸びる」。糖質を取った方が筋肉がつきやすくなるため、キムチや納豆と一緒にとにかく米を食べるよう勧めた。

 「どんだけ食べるの」。母親からはあきれられた。65キロだった体重は4カ月後に10キロ増。すると1年秋の大会で本塁打を打ち、「白米パワー」を実感した。

 現在188センチある身長は5センチしか伸びなかったが、体重は33キロ増えて98キロに。3年で40本以上の本塁打を放つ長距離打者に成長した。「たくさん食べて、ホームランを量産。夏の大会では打ち勝つ野球で優勝したい」と話す。

     ◆

 柳川は練習中の空腹を補い集中力を高めるために、丼飯を取り入れた。選手が帰宅途中にコンビニでお菓子を食べ、夕食をきちんと食べられなくなることもあり、体作りのために始めたという。

 白米だけではつらいが、山盛りの丼飯にしょうゆやウナギのタレをかける。中には3杯食べる選手も。永岡雅也君(3年)は「最初は困ったが、もう慣れた。1、2年の時は5、6キロ増えた。練習で消費が多いので、いまは体重を維持している感じです」と話す。

 大牟田は「1合おにぎり」が自慢だ。

 女子マネジャー2人が毎日の練習中、おにぎりを握るが、1合で1個。「大きすぎて握れない」というマネジャーの小川鈴華さん(3年)は多いときには40合の米を握る。具だくさんで、一口かじると、ツナマヨネーズなどの具が出てくる。材料は川口寛史監督が買ったり、保護者や卒業生の寄付でまかなったりしているという。

 北原雅幸君(3年)は冬に1日2個、月50個近く食べたといい、「パワーがついた。体が重たくなったけん、打球が強くなった」。

     ◆

 アンケートへの回答で最大級の弁当箱が筑前だった。縦24センチ、横17・5センチ、深さ9センチの3リットル分が入るプラスチック容器にご飯を詰め込む。オムライスやレトルトカレー、ご飯を詰めた上におかずをのせるなど、保護者たちは工夫して詰め込んでいる。

 平山剛監督によると、一昨年の冬から3リットル弁当を始めた。消化に時間がかかるため、食後はすぐに運動せずに清掃活動を行っているという。ご飯の上に、焼き肉とから揚げ、メンチカツなどを載せた弁当を食べていた鶴川夏都君(3年)は「年々食べる量が増えた。バットの芯に当たらなくても、飛ぶ感覚がある。送球も速くなった」と効果を実感しているという。(井石栄司、伊藤繭莉)