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第93回全国高校野球選手権大会

日本文理(新潟)2年ぶり6回目
新潟ニュース

感謝の一打、チームに活気 日本文理・高橋洸選手

2011年8月11日0時32分

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写真:日大三―日本文理 6回裏日本文理1死二塁、高橋は左前適時打を放つ=吉本美奈子撮影拡大日大三―日本文理 6回裏日本文理1死二塁、高橋は左前適時打を放つ=吉本美奈子撮影

 優勝候補の壁は厚かった。全国高校野球選手権大会で日本文理(新潟)は10日の1回戦で、選抜大会ベスト4の日大三(西東京)に3―14で敗れた。全国制覇の経験もある強豪を相手に先取点を奪い、序盤は互角の展開に持ち込んだが、中盤以降、投手陣が打ち込まれた。看板の強力打線も相手エースに抑え込まれ、準優勝した2009年以来の勝利はならなかった。それでも最後まで諦めないプレーに、観客席からは大きな拍手が送られた。

     ◇

 「ここで1本打つ」。4点差の6回1死二塁、打席に立った4番・高橋洸(3年)は心の中でつぶやいた。「支えてくれた人たちのために」。2球目、高めに浮いた直球をバットの芯でとらえ、左前へ。3回以降、無得点だったチームに活気を与えた。

 2年前の夏の甲子園で準優勝した時は、投手としてベンチ入りした。しかし昨夏の新チーム結成後、大井道夫監督から言い渡されたのは野手への転向だった。

 183センチの長身。パワーと50メートルを6秒で走る俊敏さを兼ね備え、打者としての能力を見込まれた。三塁が新たな守備位置となった。

 野手転向後、打席に立つと警戒された。投げ込まれる球種の多さが以前とまったく違い、練習試合で凡退を繰り返した。「次しっかり!」と味方からの励ましの声も、「お前らは打ててるからいいよ」と思い、ふてくされた態度をとった。チームの雰囲気も悪くなり、「自分がいても意味ないのかな」と感じた。

 昨年の8月末、ミーティングで「辞める」と口走った。すると仲間が泣きながら引き留めてくれた。「みんながいろいろ言うのも期待しているから。洸が必要なんだよ」

 母親からは、自分を強豪私立の日本文理に入れるため、2歳上の兄は、弟の将来のために経済的負担の軽い公立高校進学を選んだと聞かされた。「いろんな人が支えてくれていたんだ」。うれしかった。

 どうすればチームのために頼られる打者になれるか。「バットが外から出ている」。仲間の助言に耳を傾けた。昨秋は2割に満たなかった打率が、今夏の新潟大会では4割になった。

 チームは大敗したが、こみ上げてきたのは涙と感謝の気持ち。「辞めなくて本当によかった」。今度は打者としてプロの世界を目指す。(高見沢恵理)

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