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第93回全国高校野球選手権大会

英明(香川)2年連続2回目
香川ニュース

〈香川:がいなやつ(1)生徒会長〉仲間の力引き出したい 学校と両立、全力投球

2011年6月28日13時7分

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写真:春の甲子園の後、主将と生徒会長になった香川西の宇都宮健太君=三豊市拡大春の甲子園の後、主将と生徒会長になった香川西の宇都宮健太君=三豊市

写真:土井裕介監督(左)と話す観音寺中央の細川雅浩君=観音寺市拡大土井裕介監督(左)と話す観音寺中央の細川雅浩君=観音寺市

 今春の甲子園のマウンドを踏んだ香川西のエース、宇都宮健太君(17)は、生徒会長だ。就任早々の今月上旬、県高校総体に出る運動部の壮行会であいさつした。これまで激励されることは多かったが、激励する立場は初めてだった。

 「3年生は高校の部活動の集大成なので、悔いのないプレーをしてください。応援しています」。数日がかりで考えて暗記した。メモを見ない方が相手に伝わると思ったからだ。

 宇都宮君は甲子園で先発したが、日本文理(新潟)に10安打を浴び、8回途中で降板した。1―8の大敗に、「力を出し切れなかった僕の責任は大きい」と自分を責めた。岩上昌由監督(35)は「宇都宮中心で立て直す」と、それまでの2人主将制をやめ、宇都宮君に主将を任せた。

 宇都宮君もチームもがらりと変わった。5月の四国大会決勝。宇都宮君は明徳義塾(高知)から11三振を奪い、189球を投げ抜いて3―1で勝った。県勢として13年ぶりの四国制覇を果たした。

 宇都宮君は、元々感情を表に出さないタイプで、一度崩れると持ち直せないのが欠点だった。「主将になり、ピンチになっても周りを見渡して、乗り切れるようになった」。岩上監督は「投球に存在感や喜怒哀楽が出てきた。もっともっと伸びる」と評価する。

 チームをまとめる立場になった宇都宮君は、なり手のない生徒会長の仕事にも興味を持ち、自ら名乗り出た。「芯がしっかりした子で、生徒会長の仕事を的確にこなしてくれる。投球も安定した。自信と余裕ができたのかな」と北井秀忠校長も目を細める。

 最後の夏。「ピンチの時ほど回りを見て声を掛け合い、仲間の力を引き出したい」と宇都宮君は言う。

   ◎  ◎

 観音寺中央の投手、細川雅浩君(17)は昨年6月、土井裕介監督(34)に呼び出され「生徒会長になってみんか」と言われた。

 「なぜ僕なんですか」

 「お前じゃなきゃ、あかんから」

 細川君は、責任感と正義感の強さを買われた。生徒会の会合は週1〜3回。文化祭の運営方針を決めたり、卒業式であいさつしたり、いろいろ忙しい。でも「野球部や生徒会の仲間がサポートしてくれる」と両立している。

 細川君だけでなく、観音寺中央では全15クラス中、14クラスで野球部員が学級委員を務める。土井監督は「学校あっての野球部。野球部だけではなく、学校全体を良くしたい」と、積極的に生徒会や学級委員をするよう勧めてきた。

 今年5月、細川君は胸に違和感を覚えた。病院に行くと、第一肋骨(ろっこつ)が折れていて全治6週間。「これからが本番なのに……」。涙が止まらなかった。でも今は登板できるほどに快復した。生徒会長の任期を務め上げ、この夏は野球に全力投入する。

 「投手としても1番になりたい。僕がチームを引っ張っていくんだ」

   ◎  ◎

 「がいな」は讃岐弁で「強い、すごい」という意味です。第93回全国高校野球選手権香川大会(県高野連、朝日新聞社主催)が7月11日に開幕するのを前に、記者が胸を熱くした讃岐球児の「がいな」エピソードを紹介します。(この連載は林亜季が担当します)

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