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第93回全国高校野球選手権大会

帝京(東東京)2年ぶり12回目
東東京ニュース

登板せず「原点」去る 帝京エースの伊藤君

2011年8月14日8時35分

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写真:八幡商―帝京 8回表八幡商無死一塁、今井を併殺でアウトにした一塁手伊藤=水野義則撮影拡大八幡商―帝京 8回表八幡商無死一塁、今井を併殺でアウトにした一塁手伊藤=水野義則撮影

 (13日、八幡商5―3帝京) 甲子園は「自分の原点」。ようやく帰ってきて、まだ2試合目。帝京のエース・伊藤拓郎君(3年)は、この日、そのマウンドに立つことなく球場を去った。

 入学後間もない2年前の夏の甲子園に出場し、1年生としては史上最速の球速148キロを記録した伊藤君。この日は3番打者、一塁手で試合に出た。

 今後の展開を見据えた戦略を練る中で、前田三夫監督はこの試合の先発マウンドを2年生の渡辺隆太郎君に託した。初戦で先発した伊藤君は、1試合置いて3回戦で登板させる心づもりだったという。

 前田采配は当たり、八幡商打線は8回まで反撃の糸口すらつかめなかった。

 そして、9回。一塁からずっと渡辺君の投球をみていた伊藤君は、球が少し浮いていると感じていた。それでも「渡辺なら任せられる」と信じた。

 後から思えば、みんな勝ちを意識してしまっていたたのかもしれない。3点リードから1点を返され、なお1死満塁。「併殺で終わるぞ」と構えて守りについた直後、打球が頭の上を越え、そのまま右翼フェンスを越えていった。

 試合後、前田三夫監督は「残念です。もう一度、伊藤に甲子園で投げさせたかった」と言った。

 1年生の時は「先輩に連れてきてもらった」甲子園。「あの時の3年生がどれだけ苦労して夢をつかみ取ったか、今になってわかる。みんなで頑張って、最後に戻ってこられた。悔いはありません」。そう言い切るエースの目に、涙はなかった。

(平嶋崇史、伊木緑)

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