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第93回全国高校野球選手権大会

帝京(東東京)2年ぶり12回目
東東京ニュース

先制本塁打で殊勲、最終回に悪夢 帝京・松本剛主将

2011年8月14日1時20分

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写真:八幡商―帝京 3回裏帝京2死二塁、松本は先制の左越え2点本塁打を放つ=高橋雄大撮影拡大八幡商―帝京 3回裏帝京2死二塁、松本は先制の左越え2点本塁打を放つ=高橋雄大撮影

(八幡商5―3帝京)

 東東京代表の帝京は13日、2回戦で滋賀代表の八幡商と対戦。4番・松本剛君のホームランで先行し、ずっと試合を優位に進めたが、最終回のまさかの逆転満塁本塁打で勝利を逃した。しかし、選手たちは力強いプレーと高い技術力を存分に発揮し、スタンドからは惜しみない拍手が送られた。

     ◇

 3―0とリードして迎えた9回表の守り。帝京の主将・松本剛君(3年)は「いい緊張感」でショートの守備についた。大事な先頭打者の打球を軽快にさばく。「ワンアウト!」。みんなに声をかけた。

 同じ東京勢の日大三とともに、優勝候補の筆頭格に挙げられた今大会。二つ目の勝利は目の前にあった……はずなのに。

 甲子園には魔物が棲(す)んでいるのか。続く1番から3番打者まで立て続けの3連打で1死満塁のピンチ。松本君はマウンドに駆け寄り、2年生左腕の渡辺隆太郎君に声をかけた。「おれの所に打たせればいいから。思い切って投げろ」

 続く打者は、その通りショートゴロに。「本塁で刺せる。ホームゲッツーだ」。松本君は打球のバウンドに合わせて左手を出し、捕ったらすぐ投げる態勢に入った瞬間、グラブの「土手」にボールが当たった。三塁走者が生還し、一塁も間に合わなかった。

 まるで見えない何かに押されているような感覚――。次打者のひと振りは、ライトポール付近の最前列に飛び込む逆転満塁本塁打。16年ぶりの全国制覇の夢はついえた。

 中学1年で硬式野球の世界大会に出場した松本君。中3の夏は日本代表として米国にも派遣された。

 「夢の甲子園で優勝できるチームに」と帝京へ。周囲の期待は高く、前田三夫監督が入学前の3月末に練習試合に連れていったほどだった。

 才能にあぐらをかくことはなかった。厳しい練習に必死で食らいつき、入学してほどなく内野のレギュラーに定着。甲子園は1年の夏と2年の春に出場した。

 最上級生になって主将に選ばれ、名実ともリーダーに。下級生が多いチームを引っ張り、東東京大会の8試合を戦い抜いた。

 東京では人工芝の神宮球場の試合が多かったため、甲子園入りしてからは「土のグラウンドに慣れよう」と積極的にノックを受けた。この日は3回、レフトスタンド中段へ目の覚めるような先制のツーランホームラン。守りも「前に攻める守備」でボールに向かっていった。

 奮闘及ばず、ゲームセット。試合後、松本君は「敗因は自分のミス」と繰り返した。「悔しい」「申し訳ない」。泣きに泣いた。

 少し落ち着いて、こう言った。

 「主将になって、『チームのため』と真剣に思えるようになった。自分を高めてくれた、すばらしいチームでした」

 「このミスの経験を生かして、必ずもっといい選手になります」(平嶋崇史)

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