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山梨大会ニュース

日川野球、8回にキラリ 勢いで1万8千人魅了

2010年08月14日

 第92回全国高校野球選手権大会に30年ぶりに出場した日川は、福岡代表の西日本短大付に2―7で敗れ、念願の初戦突破はならなかった。だが、「逆転の日川」として春から勝ち進んできた勢いの良さで、「今回こそ1勝できるかもしれない」と期待させてくれるすばらしいチームだった。

写真試合に敗れ、ベンチ前に整列する日川の選手たち=竹花徹朗撮影

 エースの古屋佳樹君がテンポ良く打ちとり、打線は福島慎平君や奥脇俊一君がつなぐ。4番で主将の丸山博之君は、山梨大会で打点5を挙げ、チーム一の勝負強さをみせてくれた。

 甲子園で1万8千人が観戦した12日の第4試合。結果だけ見れば2―7と大差だったが、日川の戦いぶりは多くの観客を魅了し、大きな歓声があがった。

 1回、古屋君が打者3人で打ちとる上々の立ち上がり。2回に出合い頭の本塁打を打たれ、5回にも四球と2連続長打で2点を追加されたが、日川の選手に焦りは見られなかった。

 8回に最大の見せ場がくる。4連続単打などで2点をかえし1点差に迫る。なお1死満塁の好機に4番の丸山君。「とにかく内野の頭を越そう」。そう思ってフルスイングしたが、二ゴロで併殺。追い上げる流れが止まった。

 「30年ぶりと言われても」。山梨大会の決勝後、報道陣から「30年ぶりの優勝ですが、どういう気持ちですか」と質問された選手たちは口をそろえた。たしかに「池谷公雄監督が高校3年生の頃」と言われてもピンとこないのは当然だ。

 だが、春季関東地区高校野球山梨県大会で32年ぶりの優勝、関東地区大会でもベスト8入り。続く夏の大会も制して甲子園出場となると、周囲の期待はどうしても高まる。

 それでも、選手はだれも「プレッシャーがあった」とは言わなかった。「悲願の1勝。甲子園で初の校歌」という重圧は、きっと感じていたはずなのに。

 今後、日川の第92回大会を振り返る時、2―7という数字だけが独り歩きすることがあるかもしれない。しかし、8回に1点差まで迫り、スタンドやテレビの前で応援する人をひきこんだプレーがあったこと。あの「2点」に日川の野球が凝縮されていたことは、ずっと覚えていたいと思う。(菊地雅敏)


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