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山形大会ニュース

恩返せぬ悔しさを糧に 山形中央・高橋外野手

2010年08月14日

 2回無死二、三塁。絶好の先制機に打席が回ってきた。先発の横山雄哉(2年)を助けるためにも、どんな形でも先取点がほしかった。ベンチを見ると「打て」のサイン。庄司秀幸監督は「スクイズは頭になかった」と振り返る。

写真山形中央―九州学院 2回表無死二、三塁、高橋の打球は遊直となる。捕手坂井=日刊スポーツ

 山形大会で19打数11安打と打ちまくった。打率は5割7分9厘。「おれが走者をかえす」と気合を入れた。

 2―2からの5球目。「狙っていた」という直球が、真ん中低めに来た。鋭く振り抜くと、痛烈なライナーがセンター方向へ。「先制だ」。そう思った次の瞬間、飛びついた遊撃手のグラブに打球が収まった。飛び出した二塁走者もアウトになり併殺に。思わず、天を仰いだ。

 「芯でとらえたが、反応が少し遅れて差し込まれた分、打球が詰まった。抜けていれば、流れが来たのに。日々の積み重ねが足りないということ」

 悔しそうに、そう話した。

 結局、4打数無安打。3打数無安打だった選抜に続き、またしても甲子園でヒットを打てなかった。

 実は山形大会から、ベンチ入りできなかった浅野充照投手(3年)の帽子をかぶってプレーしていた。悔しいはずなのに「バッピ(打撃投手)してやるから」と率先して打撃練習につきあってくれた。奈良崎匡伸主将らほかの3年生にもずいぶん助けられた。

 「打って先輩たちに恩返しをする」との思いで帽子を借りたが、結果を出せなかった。「悔しさを糧にして練習します。この負けを無駄にしたら3年生に申し訳ない」。チームを引っ張って甲子園に帰ってくる。誓った目に、涙はなかった。(奥田貫)


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