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山形大会ニュース

5試合646球、投げきった 鶴岡東の渡辺投手

2010年07月29日

(高校野球 山形中央4―3鶴岡東 延長12回) 1点負けている12回裏、2アウトながら一塁に同点の走者が出た。「絶対に打つ」。鶴岡東のエース渡辺貴洋(3年)が打席に立った。「3歳から始めた野球人生で一番、緊張した」。走者をかえせなければ甲子園の夢は断たれる。

写真2日連続の延長戦に入っても好投する鶴岡東の渡辺=県

 2ストライクに追い込まれ、ファウルで粘り、5球目のスライダーを振り抜いた。「落ちてくれ」。ボールは右翼手のグラブに。「終わってしまった」。一塁の前で崩れ落ちた。涙があふれて、立ち上がれなかった。

 鶴岡東のマウンドをたった1人で守ってきた。決勝までの5試合で47イニング。準々決勝は強豪の酒田南を相手に投げ勝ち、準決勝は日大山形を延長11回の末に退けた。連投となった決勝戦も延長12回の厳しい展開になった。今大会で投げたのは646球。

 大会屈指の技巧派左腕。130キロの直球に120キロのチェンジアップとスライダー、100キロのスローカーブを上手や横手から内外角に投げ分ける。緩急の差で打たせて取るだけでなく、ずばりと内角を突いて三振も奪ってきた。

 連日の延長戦でも「(疲れは)全然ないと言えばうそだけど、まだまだ投げられた」。自慢のスタミナは「持って生まれたもの」だという。

 新潟県胎内市からの野球留学生。下半身強化の走り込みを続け、毎日150球近くを投げ込んだ。武器の変化球に磨きをかけ、得点圏に走者を背負ってからの粘りの投球は圧巻だった。「精神的に成長できた」

 「甲子園で期待している。がんばれよ」。閉会式後、山形中央のエース横山雄哉(2年)の手を握り、夢を託した。(西尾邦明)


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