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富山大会ニュース

選抜出場の高岡商、13残塁に泣く 富山大会4強決まる

2010年07月26日

 4強が決まった――。富山大会は25日、準々決勝4試合があり、富山第一が春の選抜大会に出場した高岡商を退け、桜井が昨夏の覇者・南砺福野を逆転で破った。砺波工は終盤に富山東を振り切り、富山商は小刻みに加点し富山工に勝った。準決勝2試合は27日に富山市民球場である。

写真富山第一―高岡商 9回裏高岡商1死一塁、内野ゴロを打った松嶋が一塁に滑り込み、併殺を免れる=県営

     ◇

(高校野球 富山第一5―2高岡商)

 富山第一が中盤の得点を守りきり、粘る高岡商を振り切った。4回、尾島が三塁打で出ると、野選や敵失に乗じ4点を先取。投げては橋本が14安打を打たれるも、要所を締め完投した。高岡商は8回、1死満塁の好機を作り代打柴田の内野安打で1点をかえしたが、後続を断たれた。

■「自分の力で」笑顔消えず 高岡商・鍋田浩成投手

 エースの顔から、最後まで笑みが消えなかった。

 4回、高岡商の鍋田浩成投手(3年)は、先頭打者に三塁打を打たれると、失策などが絡んで4失点。すかさず、松嶋真樹捕手(3年)がマウンドに向かった。

 「自分を信じて投げろ」。松嶋捕手がそう声をかけると、笑顔で返した。

 そして、この回8人目の打者から三振を奪う。マウンドを降りて叫んだ。「よっしゃー」

 失策が絡んだ失点に悪いムードになりそうだったが、鍋田投手につられ、ベンチは活気づいた。

 しかし、打っても打っても差が縮まらず、返してもまた、離された。6回、7回、8回……。回が進むごとに、点差が優勝候補に重くのしかかった。

 鍋田投手は、エースが沈んだ表情をすると、チームに伝染してしまうことが分かっていた。「一緒に過ごした仲間と、明るくやろう、楽しもう、と意識していたから」

 その仲間と過ごした3年間に、喜びも、悔しさも味わった。入学して間もない夏にベンチ入りし、甲子園も経験した。昨秋の北信越大会ではチームを引っ張り、優勝。この春の選抜大会では初めて聖地のマウンドにのぼった。

 「県内ナンバーワン投手」とも言われ、名をとどろかせたが、3年間ずっと順調だったわけではない。

 何よりも忘れられないのは、昨夏の富山大会、南砺福野との決勝だ。8回まで文句のない出来だったが、9回につかまり、3点差をひっくり返された。「悔しかったし、先輩に申し訳なかった」。大会を勝ち抜くスタミナをつけるため、体をいじめ抜き、「3年目こそは自分の力で」との思いを強くした。

 迎えた最後の夏。この日の試合では、9回2死一、二塁で打順がめぐってきた。三ゴロに打ちとられるも、一塁に頭から突っ込んだ。アウトになり、しばらくグラウンドに顔をうずめたが、立ち上がった顔にも笑みがあった。

 負けたことは悔しい。でも3年間に悔いはない。「いい経験も苦い経験も、高商に入ったからできた」。エースはそう言って、仲間が待つバスへと乗り込んだ。(小峰健二)


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