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富山大会ニュース

9回「代打の仲間、信じた」 魚津・東城拓真主将

2010年07月24日

(高校野球3回戦 桜井4―2魚津)

写真2回表に適時三塁打を放って滑り込む魚津の東城拓真主将=城光寺

 2点を追う9回表、魚津の攻撃前。守備位置の右翼からベンチに戻った東城拓真主将(3年)に、横山耕一監督が左手を回しながら告げた。

 「代打に任せるぞ」

 先頭で打席に入るはずだった東城主将は一瞬、戸惑いの表情を浮かべたが、「仲間を信じよう」。悔しい気持ちをのみ込んで、攻撃に送り出した。

 この回、ベンチがとったのは、3人連続の代打策だった。打席に入ったのは、いずれも3年生。2年生が先発に5人並ぶ魚津のなかで、東城主将が、喜びも悲しみも、ともにしてきた仲間たちだ。

 夏の舞台を夢見て、必死に努力していた仲間にベンチから祈った。先発として試合に出られない選手の気持ちは、よくわかっていた。

 昨秋の県大会前。校内で新型インフルエンザが流行し、部員の半数以上の約15人が感染した。東城主将も、大会3日前に発症し、ベンチを外れた。練習もろくにできなかったチームは初戦で敗退。「悔しくて、情けなくて……」。主将の責任を感じた。

 さらに災難は続いた。春の県大会では、試合途中に右の太もも裏を肉離れした。けがの影響で、夏の大会まで思うように練習ができなかった。

 「三度目の正直」として臨んだ夏。チームは二つ勝ち、シード校に挑んだ。

 この試合で東城主将は、三塁打を含む2安打を放ち2打点を挙げる活躍を見せたが、右足は終盤、悲鳴を上げはじめていた。横山監督が告げた「代打」は、それを見越しての采配だと分かった。

 試合後、嗚咽(おえつ)を上げて泣く仲間に東城主将は、一人ずつ肩をたたいて回った。

 「これまでチームに色んな面で迷惑をかけ、励まされた。最後は自分が励まさないと」。主将は、ぐっと落ちそうになる涙をこらえ、最後まで気丈に振る舞った。(小峰健二)


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