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佐野日大、旋風の再来ならず 9回に2点返す粘り

2010年08月10日

 栃木代表の佐野日大は第92回全国高校野球選手権大会2日目の8日、東東京代表の関東一と対戦し、2―9で敗れた。序盤はエース関が投手戦を演じ、望んでいた接戦に持ち込んだが、打線が援護できず終盤力尽きた。1997年の第79回大会ではベスト8まで進んだ佐野日大だが、再び旋風を起こすことはできなかった。

写真佐野日大の関投手=飯塚晋一撮影

 「低めの変化球には手を出すな」。試合前、松本弘司監督は選手にこう指示した。高めに浮いた球だけに的を絞ったが、相手投手の縦に落ちるカーブに手を出し、5安打に抑えられた。

 左腕のエース関は、カーブで右打者の内角を攻め、3回までを打者9人に抑える好投。4回の2死満塁のピンチも落ち着いた投球で切り抜け、身上とする粘りを見せた。しかし、その関の制球が5回に乱れた。2死三塁から四球を出し、さらに暴投で先制点を許した。

 8回には2四死球を与えたあとで連打されて3点。さらに9回には本塁打を含む3連打を浴びて大量点を奪われた。継投した保母も本塁打を打たれた。

 投手陣を援護したい打線が意地を見せたのは9回。敵失と四球などで1死一、三塁とし、代打石川が適時二塁打を放って1点をかえした。さらに代打の庄司の一ゴロの間に三塁走者の新実が生還、2点目を挙げた。

■勝つ気持ち、切らさず 関投手

 栃木大会を含めて、最も多い投球数となる161球を投げて、エース関祐汰の夏は終わった。

 1回、先頭打者にいきなり安打を浴びたものの牽制(けんせい)球でアウトにし、自らはずみをつけた。その後は得意の縦に曲がるカーブとスライダーの切れが良く、4回終了時で五つの三振を奪った。相手投手も好投を続け、息詰まる投手戦となった。

 しかし、関には試合前から不安があった。栃木大会の3回戦から速球の威力が落ち始めていた。130キロ台後半まで出せたはずの速球がなかなか戻らず、甲子園入りしてからも苦悩が続いていた。

 試合前日になっても改善せず、関は覚悟を決めた。「変化球中心で丁寧に投げれば抑えられる」。自分に言い聞かせるように話し、試合に臨んだ。

 調子が良ければ直球が7、変化球が3の割合で組み立てる配球をこの日は変化球が6、直球が4の割合に変えた。

 生命線であるその変化球の制球が乱れたのは5回。2死一、三塁で、外角低めに投げたスライダーが捕手の前でワンバウンドし、暴投となった。三塁走者が生還し先取点を与えてしまった。さらに内野安打で1点を加点された。制球力が落ちてきた終盤、相手打線が変化球をとらえはじめた。

 そんな場面で関は、笑顔を見せなければいけないと考えていたという。「絶対に勝つ気持ちを切らさない。そのためには(エースである)自分が笑顔でないと」。チームは9回に意地を見せたが、勝利には届かなかった。

 開会式では緊張していた甲子園の舞台だったが、マウンドは別だった。関は「甲子園は気持ちよかった」と名残惜しそうに振り返った。

 「1勝したかった。今は悔しさしかない」。下唇をかみながらこう語った。(緒方雄大)


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