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静岡大会ニュース

常葉橘、見せた意地 8回に4点、反撃及ばず

2010年08月10日

 昨夏の16強を超える成績を目指して甲子園に乗り込んだ常葉橘は、8日の初戦で北大津(滋賀)に4―11で敗れた。相手打線の豪快なフルスイングにエース長谷川がリズムを乱されたが、8回には本塁打などで4点を返す意地をみせた。9日午後、静岡市葵区の学校に戻った選手たちは、出迎えの保護者らにすがすがしい表情をみせた。

写真指示を出す牛場友哉捕手=水野義則撮影

 常葉橘は、本塁打2本を含む18安打を放った北大津を止められなかった。

 エース長谷川は1回、二塁打2本を浴びて先制点を奪われた。低めに球を集めたが、2回には甘く入った直球を狙われ下位打線に連続長短打を喫するなど、5回までに5点を失い降板。5回無死一、二塁から継投した宮崎は後続の打者を打ち取ったものの、7回1死二、三塁から右中間適時三塁打で2点を追加されるなど苦しい展開が続いた。

 打線は北大津のエース岡本のテンポのいい投球に、7回まで散発3安打に抑え込まれた。8回、代打荒木の中前安打と小岱の左前安打で2死一、二塁の好機に、早川の適時三塁打で2点を挙げて反撃を開始。続く牛場が左翼席に本塁打を打ち込み、さらに2点を加えたが、力尽きた。

■リード役、壁の厚さ実感 牛場捕手

 いつもなら淡々と投げ込む長谷川彦(げん)君(3年)が、しきりに球の握りを確かめていた。「彦が動揺している」。キャッチャーミットを構えた牛場友哉君(3年)は、エースの焦りを感じ取った。

 1回1死三塁から左翼線に転がされて先制されていた。長谷川君が一番自信を持っている内角球だった。「自分がリードしなきゃ」。牛場君は相手打者を横目で見ながら、配球に頭を巡らせた。

 1年前も、この甲子園でミットを構えていた。3回戦の明豊戦。1点リードで迎えた9回、絶対的なエースだった庄司隼人投手は変化球のサインに首を振り、「直球勝負」を求めた。2年生捕手の牛場君はうなずくしかなかった。同点に追いつかれ、延長で敗退。「自分があそこでしっかり要求していれば」。ずっと心に引っかかっていた。

 打たせて取るタイプの長谷川君がエースとなり、自分の配球がより重要になったことはわかっていた。打者の特徴と投手の気持ちの微妙な変化を見極める「気づきの目」を養いたい。教室掃除では、どんなに小さなゴミでも見つけて拾うようにした。野球でも自然と視野が広くなった気がした。

 2回以降も、北大津の打線は内角をことごとく打ち返してきた。「コースを散らして、このフルスイングをかわそう」。2ストライクで追い込んでから外角を使った。スライダーやチェンジアップも試してみた。ところが、体格に勝る相手打者はボール気味の球でさえ、たたきつけて安打にしてしまう。

 ビデオで見て、「ただ振ってくるだけ」と思っていたのは間違いだった。どこに投げさせればいいのかわからないまま、相手のペースにのみ込まれていった。

 2度目の甲子園は初戦で終わった。泣く気にはなれなかった。「完全に力で負けました」。改めて、その壁の厚さを実感した。(植松佳香)


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