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島根大会ニュース

初戦敗退・監督辞任…開星、つらい時期乗り越え結束増す

2010年08月13日

 第92回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場した開星は5―6で仙台育英(宮城)に敗れ、2007年以来の初戦突破はならなかった。しかし選抜大会での初戦敗退や前監督の辞任……。「心が折れかかっていた」(山内弘和監督)時期を乗り越えた選手たちは、大舞台に「島根開星」の野球を刻みつけた。

写真試合を終え、甲子園を後にする開星の選手たち=水野義則撮影

 9回2死、日野聡明選手が打ち上げた飛球は甲子園特有の「浜風」に押し戻された。中堅・本田紘章選手のグラブに収まったかに見えた。だが次の瞬間、白球は芝生の上にぽとんと落ちた。

 「まだ終わってない」「もう1回逆転しよう」。攻守交代時に全員で本田選手を迎えるベンチは、つらい時期を乗り越えて結束を増した象徴的な姿だった。岩田太呂選手は言う。「前は打席でアウトになって戻っても何もリアクションがなかった。春から『オーケー、オーケー』と全員で迎えられるようになった」

 チームワークの良さは粘り強さになって現れた。最終回の攻撃では、再逆転まであと1歩に迫った。9回まで2度同点にされながら1度もリードを許さなかったのは、一人ひとりが「チームのため」と役割を果たしてこそだった。

 試合前、山内監督がカギになる選手として挙げた中軸の出射徹、白根尚貴選手は2人で4本の長打を含む5安打、4打点。本田選手は無安打だったが3打席連続で出塁し、4回には自身の判断という盗塁で好機を広げた。山内監督も中軸の活躍を「期待に応えてくれた」と評価した。

 得点に結びつかなかったプレーにも選手の持ち味が出た。大谷拓也選手の2回の一塁手前へのバントは「下位からもかきまわしたい」の言葉通り内野安打に。篠原牧斗選手も二つの送りバントを決めるなど、チャンスメークに徹した。靱帯(じんたい)断裂で先発出場できなかった江本昌平主将は2、3、9回のピンチで伝令に走り主将の責任を貫いた。

 島根大会5試合36イニングで1失点の白根投手は「試合に入れば痛みも忘れる」と言いながらも、全国大会前に再発した右ひじの痛みを抱えながらの登板だった。「1球目がぐっとくる感じで、140キロちょっと出れば調子がいいかな」(出射捕手)という初球は146キロと合格点だったが3、8回以外は毎回の10与四死球。制球難に苦しみながら170球を投げ抜いた。

 エースをもり立てたのは、相手の15残塁が示すように堅い守りだった。島根大会前には夜遅くまでの練習を積み重ねた。その結果、5試合無失策。甲子園では9回にミスが重なったが、糸原健斗三塁手の落ち着いたバント処理や出射捕手の盗塁阻止は仙台育英の攻撃の芽を摘み取った。

 江本主将は「最後まであきらめない自分たちの野球を貫いたので、悔いはない」と胸を張った。山内監督も「3年生を中心に、チームをよくしようと頑張ってくれた。気持ちの強さが最後の反撃になった」と成長をたたえた。(岡田慶子)


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