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北大津らしさ最後まで 打って守って執念見せた

2010年08月18日

(17日、成田6―5北大津) 「選手たちは、やるべきことをすべてやった」。試合後、宮崎監督はそうたたえた。1、2回戦は猛打で相手を圧倒したが、北大津の本領は厳しい状況に立たされたときに発揮される勝負強さにある。この試合で、その持ち味を存分に発揮した。

写真成田―北大津 8回裏北大津2死三塁、北野は左前に適時打を放ち、同点に追いつく。捕手近藤=長島一浩撮影
写真8回から再登板した北大津の岡本=金川雄策撮影

 逆転され2点のリードを許した8回。先頭の北林が打席に入った。「絶対に出塁する。どんな形でも」。それまで無安打だったリードオフマンの入魂の一振りで、球は中前に抜けた。

 中学時代、野球の片手間でやった陸上の短距離走で県2位に入った。野球でも日本選抜チーム入りした。一見するとセンス抜群の天才肌だが、陰で人一倍の努力を重ねてきた。重さ1キロ以上のバットで毎日素振りをしないと落ち着かない。チームの誰より多く振ろうと心がけた。雨の日も、どれだけ帰宅が遅れても、いくつ血豆ができても。

 北林の執念に後続が呼応した。山口がこの日4打点目の適時打を左前に運んで1点差。なお無死一、二塁で重盗に失敗し好機はついえたかに見えたが、2死三塁から北野が外角の変化球を左前に運び、一度は追いついた。

 「岡本は自分の身の丈をわかっているから、いろいろ工夫している」(宮崎監督)。170センチ、55キロの軟投派。力でねじ伏せるタイプではない。時には下手から、時には上手から放る。捕手からボールを受けるとすぐに投球に入るテンポの良さに、打者は右往左往する。

 だが、この日は被安打13。3回を除いてすべての回で先頭打者の出塁を許した。自身も9番目の野手として、懸命に守った。

 もともと内野手だ。「内野を守らせたら、あいつが一番うまい」。捕手の山口が冗談交じりで言う通り、打球の処理能力が抜群に高い。圧巻は6回。無死一塁から相手が犠打を試みた打球に対して、素早くマウンドを駆け下りて二塁を封殺。さらに次打者のときに素早い牽制(けん・せい)球で一塁走者を仕留め、ピンチの芽を摘んだ。

 この回を含め、相手の犠打を防いで3度にわたり走者を二塁で封殺した。

 甲子園では打線の破壊力に注目が集まったが、この試合では岡本を含む野手の堅守を強く観衆に印象づけた。

 1点を勝ち越された9回2死二、三塁。これ以上失点すると勝負が決まってしまう。相手打者が放った打球は鋭く三遊間を襲った。深い位置で村井が逆シングルで捕球。一塁に遠投して仕留め内野安打も許さず、逆転への気迫を見せた。しかし、9回2死で打席に立った村井は二塁ライナーに倒れ、最後の打者になった。

 3試合をほぼ投げ抜いた岡本と、「恐怖の9番打者」として今大会2本塁打を放った村井はともに2年生だ。「手応えはあまりない。今は自分の課題しか浮かばない」(岡本)。「絶対に来年、岡本とここに戻ってきます」(村井)。

 誰も甲子園の土を持ち帰らなかった。「優勝したときに持って帰ってきてほしい」。涙をこらえるように、主将の大野が後輩に託した。


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