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大阪大会ニュース

〈はま風〉故郷は「神と自然の里」履正社・渡辺投手

2010年08月17日

 大観衆の中でも声援がハッキリ聞こえた。「まー」とか「まさやー」って。マウンドには上がれなかったけど、ありがとうの気持ちを伝えたい。村のみんなに。

写真ベンチ前から選手に声をかける履正社の渡辺真也選手=竹花徹朗撮影

 人口約1800人。近畿最高峰の山に囲まれた奈良県天川村が僕の故郷だ。緑豊かな「神と自然の里」。修験道の聖地で、洞川湧水群(どろがわゆうすいぐん)は名水百選の一つ。日本三大弁財天の天河神社もある。村から甲子園に出たのは僕が初めてなんじゃないかな。橋の欄干に激励の横断幕が張られ、初戦はバス3台の応援団が来た。

 父が社会人野球の経験者で、僕も2歳のころから手のまめがつぶれるほどバットを振ってたらしい。小学生と中学生の時は、両親が山のふもとの練習場まで車で40〜50分かけて送り迎えしてくれた。履正社を選んだのは練習環境が良かったから。村からは2時間以上かかるから、大阪のマンションで一人暮らし。夜も車でうるさいし、水も臭くて最初は飲めなかった。

 先発は同じ2年生の飯塚だった。僕が正月に左脇腹を肉離れし、3カ月投げられずにいた間に先発の座を奪われた。僕は背番号17。悔しかったけど一番の親友だ。「頑張れ。お前がだめならおれがいく」と思いながら、1回からブルペンで肩をつくった。

 試合後、スコアボードに向かって深々と一礼した。「また来年も来ます」って。次の夏こそ、マウンドで投げてる姿を見せて、村のみんなに恩返ししたい。(金子智彦)


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