ここから本文エリア

現在位置:高校野球>奈良大会> 記事

奈良大会ニュース

「お疲れ様、頑張った」観客一丸、拍手と歓声 天理

2010年08月13日

 台風が過ぎ、厚い雲間から時折光がさすなか、野球部員や吹奏楽部員、保護者、天理ファンらで埋まった天理の三塁側応援席は紫に揺れた。

写真熱い声援を送る天理のマネジャーら=阪神甲子園球場

 1回、相手の適時打で1点を先制されたが、スタンドからは「頑張れー」と声援が飛び、沼田投手が三振を取ると大きな拍手が起きた。

 マネジャーで3年の高森麻耶さん(18)は「出場を決めてからも皆、力むことなく、自然体で練習してきた。1日でも長く試合をしてほしい」と力を込めた。

 井上昇亮(のりあき)右翼手のファンという広陵町の小学3年の辻里香子さん(8)も母の恵三子さん(47)らと熱い声援を送った。春の県大会で自打球を当てたことを心配して手紙を書いたところ、選抜出場時のタオルを送ってくれ、その後、何度か手紙をやりとりした。「とてもうれしかった。今日は頑張ってほしい」

 2点を追う3回、中村の長打で岩崎が生還し1点を返すと、スタンドは地鳴りのような大歓声。熱い演奏を聴かせる吹奏楽部には約20人のOBも応援に加わった。トランペットの松谷勇人(はやと)さん(26)は関口和選手のいとこ。父と親子2代で参加し、「選手に思いが届くように演奏します」。

 5回に2点を追加され、3点を追う展開。しかしスタンドの声援はしぼむことなく、むしろ力強さを増した。チアリーダー約30人を率いるキャプテンで3年の辻元子さん(17)は「声を出して、思いがもっと伝わるように応援したい」とプレーを見つめた。

 6回以降、走者を背負いながらも堅い守備で切り抜けると、保護者らは歓声を上げて鼓舞したが、9回、併殺でゲームセット。スタンドは一瞬静まり返ったが、やがて選手たちへの温かい拍手に包まれ、マネジャーらは大粒の涙を流して抱き合った。安田紘規主将の父光雄さん(43)は「よく頑張った。お疲れ様と声をかけてやりたい。大学に行っても、いい経験として生かしてほしい」と話した。(荻原由希子)


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る